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古(いにしえ)の風情を載せて歩む 唯一の明かり

カラフルな全面ラッピング広告を纏いながら走る多くのトラムの中で、
ひときわ目を引く、昔ながらの濃いグリーンの地味な車体。
広告は全面ではなく、前後と側面に部分的に。

今現在でも、たった1台だけ走っている、
1949年に製造され運行が開始された最古参のトラム。
2013年の時点で、なんと御年64歳のトラムです。



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愛してやまない人々や、応援する人々が多い、
このトラムに出会うと何か良いことが起こりうるような幸先の良ささえ感じるトラム。

おなじみの120號ですね。

120番と言えばいいのでしょうけれど、
昔ながらの最古参のその姿から、
120號という記し方も(が)ふさわしいように思います。
ふだん僕は、120番と言ってしまいますが。(笑)

120號だけの特徴は、あれこれ や いろいろありますが、
街を走るその姿を見かけたり、
ラッキーなことに乗れたりしたときに、
120號ならではの良さを感じるのは、
やはり「明かり」のあたたかみ。
白熱灯の照明ならではのあたたかみ。
他のすべての車両と異なっている、120號だけが灯している室内照明のあたたかみ。
120號以外の他の車両の照明は、すべて全車が、蛍光灯ですが、
120號だけが、唯一の白熱灯です。



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この白熱灯、
いつでもこの明かりが灯っているというわけではなくて、
ピーカンな晴天が気持ち良い昼間などだと、
残念ながら明かりを灯していない時もあります。
老体を大切にいたわって休憩しているのかな?・・・と、
灯していないことに納得するようにしています。
司機さんの気分によって・・・という実態もあるのでしょうね。

天気が良くない日や、曇りの日、
または、夕刻~夜にかけては、
120號の独特な明かりが映えるチャンスですよね。

カラフルで賑やかなネオンが多い香港の街中で、
この明かりを見かけたり、中に乗ったりして包まれると、
ほっとしたり、落ち着けたり。



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唯一の電球の照明を灯している120號。

香港島の街中を走り抜けるトラムたちの中で、
この120號だけは、
「走る」というよりも、「歩む」という言い方の方がしっくりくるような気がします。

ディンディンディン、ゴトゴトゴト、、、と歩む120號。

出来ることならば、
これから先も、
いつまでも元気で歩み続けていってほしいな・・・と願っています。
65歳まで、66歳まで、ずっと。。。


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by hongkonggaffe | 2013-03-10 07:58 | 香港のりもの | Comments(14)
Commented by yukalog at 2013-03-10 17:59
今までとラム乗るときに気にした事がなかったです、120番・・・
今度ちょっと注意してみてみようかなと思います。
こえださんは本当に色んなことを知っていて・・・香港大使とかあったら
その役職、ぴったりそうです(笑)
Commented by ブラボー at 2013-03-10 22:03 x
120 番のトラムに遭遇すると 絶対って予定がない限り
吸い込まれるように 乗ってしまいます。
こえださんがおっしゃってるように 柔らかい灯りがなんとも
言えないノスタルジックな雰囲気を出してるんですよね。
何回乗っても 同じ写真でも カメラをいろんな所に向けたくなります。
今回の訪港では期間も短かったし、九龍サイド宿泊っていうこともあって 120番には会えなかったんです。それだけが 残念でした。
iPhoneケース見てみました。
そうなんです。あんなのが欲しいんです。
Commented by らしくん at 2013-03-11 00:26 x
120號ってラッピング広告もレトロな感じで雰囲気が出ていますね。
でも、良く見ると広告に描かれた香港の街並みは、會展が描かれていたりして、しっかり現代の香港だったりするんですね。
Commented by ころた at 2013-03-11 08:43 x
わたくしが勝手にネ申電車と呼んでいる120号
意識しているときにはやってこなくて
こっちが乗っているときにすれ違ったり、歩いているときに見かけたり
でも、わたくしもやっと乗れることができました。
そう、この照明がまたいいですよね。
夕方、日が暮れかかった頃、湾仔あたりをこのオレンジ色の証明の120号なんていうのたまらない光景だろうなぁ
Commented by chintau at 2013-03-11 20:35 x
120號のトラムだと、今の香港も、何となく一昔もふた昔も前の香港に見えてくる気がします。どのあたりで120號トラムと遭遇されたのですか~?
今にもゴトトラムの音が聞こえてきそうな素敵なお写真ですね♪
Commented by Jyujai at 2013-03-11 22:41 x
120號のトラムには、レトロなラッピングがよく似合いますね。
タイムスリップしたみたい。
「花様年華」の、レトロなプリントの旗包のワンピースにピンヒールを
履いたマギー・チャンみたいなお姉さまと、ピンストライプのスーツに
ポマードで髪をなでつけたトニー・レオンみたいな大人の男が
乗っていそうです。
Commented by hongkonggaffe at 2013-03-12 17:53
♫ Yukalogさん
トラムの走行音はみな同じですが、一度見れば、その外見もインテリアも、他のトラムとは一線を画していますから、ぜひ120號を見つけて、いつか乗ってみてください。暮らしておられるから、チャンスはきっとあると思います。・・・いえいえ、まだまだ香港の知らない部分はたくさんあります。もっと知りたい場所です。(笑)
Commented by hongkonggaffe at 2013-03-12 17:55
♫ ブラボーさん
>何回乗っても 同じ写真でも カメラをいろんな所に向けたくなります。・・・そうなんですよね。ついついカメラを向けてしまいますし、120號のことを知りたくなったり触れたくなったりしてしまいますよね。何がこんなに引き付けるのでしょう。・・・あのiPhoneケース、いいですよね。プレゼントした相手には、喜んでもらえましたよ。
Commented by hongkonggaffe at 2013-03-12 17:58
♫ らしくんさん
らしくんさんのご指摘を受けてよ~く見てみたら、ほんとだ、ちゃんと會展の姿が写っている最近の風景なんですね。初めて知りました。・・・あの横と前部分との広告が、いつも同じ会社のもので、ときどき張り替えられていることは知っていたのですが、写真の風景までは目が行っていませんでした。ありがとうございました。
Commented by hongkonggaffe at 2013-03-12 18:01
♫ ころたさん
あ、ころたさんも、乗ることができたんですね、よかったよかった。独特の存在感ですよね。どんなタイミングで乗ることができるのかは、保証がないのですが、乗客の皆さんで混んでいない時には、好き放題に内部を観察したり写真に撮り残したりすることができます。混んでいる時っていうのは、始発で120號が動いているときでさえ混みこみなんです。。。
Commented by hongkonggaffe at 2013-03-12 18:04
♫ chintauさん
ほんと、120號には、レトロ感が漂っています。今回この記事で使った写真も、写真加工で、モノクロかセピア色かに変換して使おうかなって思ってたくらいです。(笑)・・・記事内の写真は、chintauさんもよくご存じな西營盤での1コマです。よく目撃したり乗ったりするのは、北角の始発駅や上環の乗り場・西營盤の乗り場・・・などですね~。
Commented by hongkonggaffe at 2013-03-12 18:07
♫ Jyujaiさん
ああ~、ほんとにそういうイメージが似合いますよね。花様年華なんて、ぴったりです。DVDでもサントラ盤CDでも持っていますが、あの映画の中の1シーンとして、120號が登場しても、なんらおかしくはないような。(笑)・・・香港では今、懐古調の風潮が盛んですから、若者たちが一眼レフなどを持ち込んで車内撮影をしている姿もよく見かけます。
Commented by hongkongpeu at 2013-03-14 09:36
夜の120番が好きです
なんともいえないあの優しい光 素敵ですよね♪
Commented by hongkonggaffe at 2013-03-17 07:48
♫ peuさん
夜もいいですね。おっしゃるように、あの電球色がとても優しいし、幻想的な雰囲気すら漂わせているように感じます。車内の中に乗っていると、その温かな光に包まれているので、昔にタイムスリップしたような気分にもなります。ただ、120號自体が、夜は早めに車庫の入るようなので、出会える確率は高くないんですよね~。
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「暮らすように滞在していたい」 と思いながら里帰りする香港の日々。


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