だからトラムで ぜひぜひトラムで ~香港というテーマパークのアトラクションたち その3 ~

香港ランドのアトラクションといえば、トラム(叮叮)も欠かせない一つ。
道路にクルマが少ないと けっこうなスピードを出すことがあるけれど、
基本、いつでも ゆっくりゆっくり走ってくれるトラム。
香港島の乗り物の中で、一番のんびりした乗り物ではないでしょうか。
駅停車中に自転車に追い抜かされるから、自転車と同じか、自転車より遅く感じる場合も。



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1階は囲まれ感を感じるので、やっぱり2階が好き。
2階からだと、繁華街も問屋街も住宅地も見渡せますから。
トラムの良さは、街の景色だけではなく、開いた窓から “ 匂い ” も “ 音 ” も伝わること。
走りながら移り変わる街と一緒に、それぞれの街らしい匂いや音も 変化するような気が。

銅鑼灣←→中環あたりの、バスやタクシーの走行音、賑わう街ならではの雑踏。
上環←→西營盤あたりになると 乾物問屋街の匂いに包まれるし、
北角の春秧街に入り込むと 市場(街市)の匂いと呼び込みの声。
北角←→筲箕灣や 跑馬地へ向かう街になると、穏やかで静かな雰囲気が伝わるし。
行きかう人々の姿だって場所が移動すれば、
庶民的な様子から スーツを着こなしたビジネスマンが増える場所まで、やっぱり違いが。

街ごとの “ 匂い ” や “ 音 ” の特色って、少しずつ違うものですよね。
それに加えて共通して窓から入り込んでくるのは、
歩行者信号のあの独特な音と、トラムがカーブに差し掛かった時に出す鳴き声。
こうした匂いと音に包まれて、ゴツゴツした優しい振動に揺られるのだから、
もう、香港ならではの多彩な表情をたくさんたくさん味わわせてくれて。
それらを どこからどこまで乗っても、わずか2$ちょっとで楽しませてくれるアトラクション。



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そんなトラム、
最近になって試験走行され始めた冷房完備の車両になっちゃったら、どうなるんだろう?
窓が閉め切られれば、匂いも音も トラムらしい魅力は減っちゃうような気が。。。
ましてや1台だけ残されて活躍している古いタイプ120号トラムは、どうなるんでしょう?
そんな想いがあるので、120号トラムについて少しだけ。

香港トラムについては 今まで何度も記事で取り上げてきたけれど、
今日ここで載せる写真は120号トラムだけに限定してみました。

大半を占めていた一般的な車両に代わって、かなりの台数が増えたハイブリッドトラム。
電光掲示板が取り入れられ、内装は一新され、座席の作りも替わった新型の車両。
だから、2世代前の120号は ますます貴重な1台になっている現在ですが、
もしも冷房完備の車両が本当に取り入れられたら、
この120号は3世代前の車両になってしまうわけです。



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なにしろたった1台だけだから、
見かけたり他のトラムに乗っててすれ違ったりすると、
「今日は縁起が良いかも」などとも思っちゃいます。
おみくじで言うと【吉】っていう感じ。(笑)
遠くからでも120号と分かるあの美しさには、情緒さえ感じるような。

これに乗れちゃったりした日には、車内も愛でてしまえる。
他のトラムだと、乗車したら車内はどれも同じですものね。
だから120号に乗れちゃった日なら、おみくじの【小吉】。

車内には優しく灯る電球型の白熱灯。
電球色が照らし出す木枠に藤が編み込まれたイスや 緑の内壁が映えるのが夕方以降。
・・・というわけで、夕方以降にどれかの路線で乗れたのなら【中吉】。

さらにさらにもっと贅沢なのは、その時の行き先が北角だった場合でしょうか。
終点の手前、北角の春秧街で 市場を歩く人々の中をかき分けてゆっくり進む120号。
ここ春秧街では人とトラムとが共存してて、トラムが人に道を譲ってもらうという感じ。
「あの~すみませ~ん、ちょっと通してね~」 「ああ、来たんやね、はいはいどうぞ~」。
トラムと人との間で そんなやりとりがされてるような。

低速運転だから、そのぶん窓から顔を出して市場の匂いも音もゆっくり味わえます。
市場の野菜&肉魚&果物などが混じった匂い、あちこちで飛び交う売り手の声。
「はいっ!ここがまさに香港ですよーっ!」と言ってるような1本道。
ここにしかないアトラクションのハイライト・・・もう、こうなると【大吉】でしょう?



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120号は、狙ってて見られるものじゃないと思います。
いきなりやって来てスーッと通過していく。
ましてや乗れるなんて滅多になく。
何年前だったか、中環の停車場で筲箕灣行きのトラムを待っていて、
2台後ろにやって来たのが120号で、行き先表示が見えた時に北角行きだと分かり、
急遽、筲箕灣をやめて北角に行こうと変更したことがある ひまじんコンビ。

香港島滞在が基本のウチだから そのぶん どうしてもトラムに乗る回数は多いです。
訪港するたびに何度も120号を見かけたり乗ったりはします。
だけど、
この120号の最前席に乗りながら春秧街に突入できたのは、初訪港以来5回か6回だけ。
【大吉】に当たるのって、そうそうありません。
だからこそ いいのでしょうけれどね。

ただ、【大吉】じゃなくたって、他のトラムでも 乗ったら【末吉】から始まるアトラクション。
2階席からの光景と匂いや音とを満喫できるに違いないと思います。
・・・これが、もしも、冷房完備になってしまったら・・・・・・【凶】になるのかなあ・・・・・・。



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どのおみくじを引いても【凶】しか出てこない・・・
・・・そんなことになっちゃってトラムらしさが減る日が来ないようにと願うばかりです。
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Commented by leslie339 at 2015-05-18 10:30
こえださん。
残念ながらまだ一回しか120號乗った事がありません・・・
今度、筲箕灣に行って待ってみることにします。
Commented by sayachan28 at 2015-05-18 15:52
こえださん♪

トラム好きのワタシでつ。。。

これがもし無くなる日が来たら・・・
恐ろしい~~もう行かないかも?!(笑)


Commented by Shangrila at 2015-05-20 14:51 x
私たちはこのトラムの音に癒される少数民族ですね。笑
トラムと街の共存の写真、良いですね。
ホント、
通してー
あらあらまた?はいどうぞ。
って聞こえてきそうで不思議です
Commented by nicho at 2015-05-20 15:10 x
トラムに揺られて目的地があるような、ないような・・・そんな感じで乗る事が多いんですが、確かに冷房完備になっちゃうと、あの香港独特の風を感じる事ができなくなってしまいますね・・・。
音も匂いも、全てひっくるめて好きで乗り込むトラム、そんな風に思っているのは私達観光客だけなんでしょうかね?
でもきっと香港人の中にも窓を開けたい!って思ってる人もいるはず!
なくならないで欲しいな・・・
Commented by 杏♪ at 2015-05-21 10:22 x
私、何度も香港へ行っていながら、トラムに乗らない時期が以前はありました。
昔のガイドブックの地図には、トラムの駅名とか書いていないし、次はどこかわからないしで、MTRと比べると乗りにくいと思い込んでいたのです。
でもある時、「トラムの一駅って大したことないから、乗り越してもどうにでもなるよ~」の言葉を聞いて、ハードルがドーンと下がりました。
それからは時間があればトラム♪
そしてトラムの走る音が好きです。
冷房完備になってしまっても、音が聞こえれば、、、私は好きなままかな。
身近に人の動きも感じられるし。
そういえば、ライトレールも好きです♪(笑)
私って、なんでも乗れる物全般が好きなのかしらん?
もちろん、飛行機も大好きです!(8時間未満)
Commented by (-@-) at 2015-05-21 19:18 x
7年近く住んでいたのに・・・乗ったことないよ~。(@_@;)ガーン

MTRとバス移動が殆どでした。
・・・慌ただしく暮らしていただけなのかなぁ~?(T▽T)
Commented by hongkonggaffe at 2015-05-21 20:46
♫ 花襲人さん
そうそう、この「號」っていう1文字、好きなんですよ。やっぱり「號」のほうがしっくりきますよね。・・・120號にまた乗ってみてくださいね。でも、筲箕灣ってひょっとすると120號は運用されてないかもしれません。1台だけ保存した大切な車両だからなのか、あまり長距離路線は走らせてないような?事実、北角から東以降で120號を見たことが無いんです。上環から先も次記事に書いた石塘咀まではお客を乗せてますが、電車廠に入って行っちゃうの堅尼地城まで使ってないような。だからもしも120號待ちだったら、東西の端は避けられた方がよいかと思います。跑馬地には行ってますよ。
Commented by hongkonggaffe at 2015-05-21 20:54
♫ sayachanさん
お気持ち、察します。(笑)、、いや、察しますどころでなくて「同感です」なのですが。sayachanさんの滞在記で、トラム2階から撮ったのかな?という写真が西營盤あたりから始まると、いつもPCの画面に20㎝まで近づいて喰いつくように凝視しております。なかでも、乾物屋街あたりから東に進みつつホテル1ibisを正面に写した写真を拝見すると、ホッとする感さえあったりして。、と、同時に、西營盤の街が浮かぶので、ついつい新釗記の制服に身を包んだおじいちゃんの顔も浮かんできますし。(笑)・・・120号を残した香港電車有限公司だから、現行車両も残しておいてくれるといいなあ。
Commented by hongkonggaffe at 2015-05-21 21:03
♫ シャングリラさん
少数民族が集って【音を語る会】を結成した際には、会長&顧問ということでシャングリラ家に就任していただきたいと思います。あ、僕は社長ということで。あの音、ニホンゴでどう書くといいのでしょうね?トラムの鳴き声に触れる記事を書く時は、いつも困るんです。シーボーズの鳴き声(とウチのご常連、ころたさん命名)と書くのが精一杯だけど、シーボーズをYouTubeで検索して下さるかたは居るかどうかと思うと、使いにくいし。・・・【トラムと人(クルマも)が共存する】って考えてみれば香港島全体に言えそう。だけど、その良さが、あの春秧街に凝縮されてるような気がしますよね。
Commented by hongkonggaffe at 2015-05-21 21:10
♫ nichoさん
あ、やっぱり。(笑)nichoさん、その乗り方を楽しんじゃうかたですね。なんだか嬉しいな。(笑)同志がいて下さることは嬉しいです。同志と言えば、あきらかに家族旅行中の欧米人ファミリーが先頭席に座りながら4席埋めて外を見つつ指差しながら会話してる様子、そういうのも「同志だね!」と思うことがあります。香港人で“いつもこれ乗ってます”的なかたが、やっぱり外を見てたり、雨上がりで半分閉ってる窓ガラスを開け直してる姿を見かけても、そう感じますし。次記事に書きましたが、地元の方々の中でも意見は分かれてて、冷房完備車導入に賛同しかねてる人達のほうが多いみたいですよ。
Commented by hongkonggaffe at 2015-05-21 21:18
♫ 杏♪さん
(バス記事に頂いていたコメへの返コメ、いつもながらのダラダラ長文になっちゃってるのでお許しくださいませ)・・・あ、杏♪さんもあの走行音迷ですね?↑コメに記した少数民族の【音を語る会】にぜひ参加して下さい。社長ポジションを確保します。おっしゃる「身近に人の動きを感じる」って、なるほど~そういう表現いいです。ホントにそうですね。軽便鐡路はトラムの兄貴分のような気がしてこれまた好きですよ。特にあの無人駅システム。利用者と運営側とが信頼で結ばれていることが表れてるような気がして、そこに惹かれます。元朗の総站によく行って、目の前を通過する車両に見惚れてます。(笑)
Commented by hongkonggaffe at 2015-05-21 21:31
♫ (-@-)さん
いえいえ(-@-)さん、「慌ただしく・・かなあ?」と悲しまないでくださいませ。この120号は(あくまでもウチの経験則だけですけど)北角止まりで、太古や筲箕灣方面に運用されて無かった(今でも走っていない)と思います。事実、北角より東路線で見かけたことが無く。ちなみに他の車両と違ってて夕方以降もわりと早めの時間で運行を切り上げてたような。石塘咀から西路線の堅尼地城方面でも見かけたことが無いので、長距離路線は走らせてないのかな?お歳を召した大御所だから、会社が温存しつつ運用してるのだと思います。香港電車有限公司って、色々と粋な計らいをする良き会社。(笑)
Commented by leslie339 at 2015-05-23 00:11
こえださん。
120號、流石に珍重されているんですね。
中々出会えない訳が解かりました、ありがとうございます。
今度は跑馬地で待ち伏せしてみます。(笑)
Commented by ころた at 2015-05-24 07:01 x
シーボーズのころたです(笑)覚えていていただきありがとうございます。

ネ申の120号
なんどもこえださんの記事で拝見していたものの
なかなか乗れず、見かけはするんだけどね。
でも、1度だけ乗れました。
そっか、ハイブリッド車も数台ではないんですね。
冷房の車両…
以前に比べると設定温度が高くなった(ように感じる?)香港。あのきんきん状態が好きだったのですが、ただトラムとなると話は別。
風も匂いも音も窓を開けているからこそ感じるんですけどね。ただ、普段使っている方々にはきっとありがたいんでしょうね。
冷房車やハイブリッド車など改良車両が出るってことは、まだ生き残るってことですもんね。
Commented by hongkonggaffe at 2015-05-24 18:53
♫ 花襲人さん
そう、きっと大事に走らせているんじゃないでしょうか。昔のトラムの一部がどこだったか(香港以外だったかも?どこか忘れました)に展示されているようですが、やっぱりこの120號は、動いて働いてくれているからこその120號ですものね。飾っておくよりも意味のあることだし、それこそが素晴らしいことなわけですし。・・・長距離路線で使っていないのは、正式記録を見たことが無いので不確かです。が!本当に1度も見かけたことが無くて。跑馬地はやっぱり始発の良さがあるので確実に乗れますね。しかも先頭席に乗れる確率が高いです。さらに一番良い方法は、始発で120號に乗って終点(跑馬地行きor上環行きor北角行き)で降りて、その足でまた折り返し始発になる120號に再び乗りこむ(降りたばかりの車両にまた乗るということ)という方法かも。(笑)あほなウチは本当にそれを何度かしてます。【上環で120號を待ってる(北角や跑馬地で待つよりも上環のほうが終点でやって来る回数が絶対に多いから)】のが1番お薦めです。つまり、120號が【北角発上環どまり】や【跑馬地発上環どまり】が多いからにほかなりません。・・・と、いろいろ作戦を書き始めると長文になるので、ここまでに。(笑)
Commented by hongkonggaffe at 2015-05-24 19:45
♫ ころたさん
もう、ほんと、【トラムについて書く → あの音に触れないわけにはいかない → 「シーボーズの鳴き声」以上の例えは存在しない → 命名主のころたさん】という一連のつながりは切れないわけでして。あ、疑似音シリーズ、もう一つあるんですよ。あの赤いビニール袋の場合。僕は昔から「シャカシャカ」と書きますが、ころたさんは「シャラシャラ」でしたよね?「シャ」は同じなれど、「シャラシャラ」のほうがなんとなくあのビニールの安っぽさが表現で来てて良いような気がするんです。ただ、ころたさんの専売特許を2つもお借りするのは恐縮至極なので控えております。(笑)・・・ハイブリッド車両、もう当たり前に多いんです。以前ころたさん、あのギリギリギリ~っと腰で押すバーの感触や音が良いとおっしゃってたからお分かりだと思いますが、自動感知でパタッと開きますし、行き先表示は色が無いので文字が見えるまでどこ行きなのか判別できませんし。まだまだ慣れない部分がいっぱいあります。でももう、香港人の皆さんはすっかり馴染んでいらっしゃるかもしれませんね。・・・そう、トラムが今後も生き残って行く証だと思えば、救われますね。ちなみに、冷房車は冷房機能の室外機を設置するために後部座席を部分的に削るみたいです。また、会社としては冷房車が100%支持されはしないだろうという予測をしてもいるみたいで、【冷房車と今までの車両とを何台か間隔で走らせて、両方選べるようにする】という案も持っているみたいですよ。
Commented by (^0^) at 2015-06-03 07:47 x
お優しいフォローをさぁんきゅぅう~♪
Commented by hongkonggaffe at 2015-06-05 17:46
♫ (^0^) さん
そういえば、(^0^) さん、バスは利用してらっしゃったんですね?路線バス?ミニバスも?文物径にご一緒させていただいて史跡巡りをした時に、緑ミニバス使いましたっけ?あの頃はまだ八達通をウチは持ってなかった頃かな?八達通を読み取る機械がミニバスについてなかった頃でしょうし。・・・で、帰りに山東餃子店に寄って、いろんな水餃子を3人で楽しくいただき、帰って来たような記憶が。。。太古、ここ2年ほど行ってないかもしれません。吉之島から潜っていって辿りつくショッピングモール、一緒にレストランに入って下さる友人もいないし、以前と同じくブランドショップは興味ないし、あそこに入ってるフードコートはあんまり魅力的じゃなくなっちゃったし・・・で、なかなか寄らない街になりつつあります。
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by hongkonggaffe | 2015-05-18 08:40 | 香港のりもの | Comments(18)

「暮らすように滞在していたい」 と思いながら里帰りする香港の日々。


by こえだ