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見慣れた場所に 見慣れない物を見つけた時  ~ 変わる街の光景 ~

上環が終点だったMTRが堅尼地城まで延長開通されて、早いもので1年が経ちます。
1年経つのに いまだになんだか違和感を感じちゃうのは、
ウチが日常をここで暮らす住人じゃなくて旅行者だから なんだろうな。
西區(上環よりも西の地区)にMTRが走ってること自体に、なんだか慣れない。

小さな事だけど、街のあちこちに駅の方向を示す表示板が立っている事も不思議な光景。
・・・乾物屋街(海味街)の中に表示板?(西營盤駅用)
・・・石塘咀の高架線の下にも表示板?(香港大学駅用)
・・・トラム終点の卑路乍街にも表示板?(堅尼地城駅用)
「 う~ん・・・ここにMTRマークかぁ・・・なんかヘンやなぁ・・・・」
ずっと見慣れてきた街並みの中に 見慣れない表示板がニョキッと立ってるのは、
いまだに違和感があって(笑)・・・頭のカタイ自分。



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見慣れない物が出現するだけじゃなく、
そのために見慣れていた物が消えて無くなってるというのも、これまた不自然。
石塘咀街市の手前に建ってた古いアパートとカラフルアパートが、そう。
古いアパートが跡形もなく消えてて、カラフルアパートのまわりも変わってしまいました。

道のカーブはそのままだし、道路の黄色い停車禁止ラインもそのまま。
だけど、古いアパートが消えて大きく空いたままの空間。
人が出入りする気配なんてまるでなかった場所に、
人々が常に出入りしてる駅の出入り口があるのだから、
やっぱり見慣れない光景に不思議な感じがして。。。



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色が印象的なカラフルアパートと言えば、とても好きな場所がもう1ヶ所あります。
そう、こちらはまだ残っててくれて「あります」だから、「ありました」の過去形ではなくて。
それはホテルLBPの真ん前、皇后大道西と荷李活道が繋がる場所。
乾物屋が仲良く並んでる古いアパートです。
ふだん店を開けて商ってる時間帯は何も感じないのだけれど、
この店たちがシャッターを閉めていると カラフルな色が並ぶのです。



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このアパート、1棟のアパートじゃなくて、
まるでそれぞれが別々に建てられて寄せ集められたように でこぼこしてます。
古いアパートって、壁は灰色一色のことが多いけど、
こちらのアパートは、1棟1棟の壁の色が微妙に違う。
薄いピンク ・ ミントグリーン ・ グレー ・ オフホワイト ・ ベージュ など、いろいろ。

寄せ集めのパッチワークのような壁を足元で引き締めているのが、シャッターと間口の色。
ブラウン ・ オレンジ ・ イエロー ・ グレー ・ ホワイト ・・・
さらに、シャッターの造りとデザインが違うから、開け閉めの方法もそれぞれ。

そうしたこれら全体の美しさは シャッターが閉じられた時に映えるので、
朝~開店時間までや 定休日の日曜が、いちばんの観賞タイム。
LBPに滞在してた時にこのパッチワークに気付いて以来、
早朝散歩を終えてホテルに戻る時、これを観賞するのが楽しみのひとつになりました。

アパートには、それぞれの部屋ごとに、人の暮らしがある。
色と形が違うように、その数ぶんだけ別々の家庭が違う日常を営んでいる。
だから、どれも同じ色同じ造りにされてしまったアパートよりも、こちらの方が味わいがある。
なのに、けっしてバラバラじゃなくて、個を持ちながらも互いに肩寄せあって建っている。
・・・そんな古いアパート ( だろうなと思って惹かれる:笑 ) 。



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ここを通りかかると、観賞タイムが楽しみなこのアパート、
先日見に行ってみた時は、竹で組まれた足場とネットに覆われていました。
あらら、どうしたんだい?どうかなっちゃうのか?

ネットには垂れ幕がかかってて、 “ 樓宇維修綜合支援計劃 ” の文字が。。。
文章を正しく理解できない僕、推測しかできないけど、
“ 建物の修理 ・ 手入れなどに関わる面で、行政側が援助していくプロジェクト ” なの?
正しく理解できないから、あかんね~。

もしそうだとしたら、住人にとって何よりの事だといいな・・・と思います。
それぞれの色形のように違う、それぞれの暮らしが守られると良いな・・・と。
で、
できることなら、
その象徴のようなこのパッチワークの味も、何らかの方法で残ってて欲しいな・・・とも。
勝手なことを想いつつ、ネットの向こう側にあるパッチワークを目に焼き付けてきました。



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MTRの表示板と駅の出入り口、手入れが始められている古いアパート。
建物が変わり、街の光景が変わる。
見慣れた物が消え、見慣れない物が出現した時、
そこに暮らす人々にとって、より良いものになっていれば なによりですよね。
だったら、
「う~ん・・・なんかヘンやなぁ・・・。」
なんて思ってちゃぁおかしいよね、、、と思いつつの散歩でした。

カエルくんをリックして頂けると嬉しいです。039.gif

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by hongkonggaffe | 2015-12-06 11:20 | 香港ふうけい | Comments(10)
Commented by take at 2015-12-06 12:46 x
そこにあるものがいつまでも変わらず残っていて欲しい。
たまに訪れる旅人は、それで良いかもしれないけど、
そこに住んでいる人々の生活のことを考えたことありますか?
時代とともに姿を変えていくのは仕方のないことではありませんか?
という論争をとあるブロガーさんとしたことがありました(笑)

>そこに暮らす人々にとって、より良いものになっていれば なによりですよね。
こえださんがこの記事の最後にそう言ってくださって、
あの時の自分が何だか救われた気持ちになりました。
ありがとうございます!
かと言って、旅人であっても昔からその街の姿を知っている者にとって、
街が姿を変えてゆくことは、やはり寂しい気持ちになります。
いつまでも残していて欲しい景色は、それだけ魅力的なものでありますよね。
「う~ん・・・なんかヘンやなぁ・・・。」
そのお気持ち、よーく分かりますよー
Commented by 爽子 at 2015-12-06 20:57 x
たまに糖水を食べに車で訪れるだけなのでMTRの案内が出来たのも知らないのですが、見慣れた街並だと違和感を感じるでしょうねぇ。
この辺の唐樓の一室にに住んでた方々なんですが、新しいビルに立て替える目的で専門業者が高値で買い取りしてくれたみたいですが、買い替えもも高くつくみたいで..。
Commented by hongkonggaffe at 2015-12-11 20:10
♫ takeさん
旅行者としては趣きや当時の面影に惹かれる古い唐樓が区画整理で取り壊された現実を知るたびに、「なんだかやっぱり寂しいもんだなぁ」という気持ちは、僕は今までにたくさん書いて来ています。その気持ちが残るのはこれからも変わらないのかもしれないけれど、「その建物その区画に暮らす人を考えると必要なことでしょう?」と思うようにもなって。スクラップ&ビルドでとんでもなく高額の家賃で一部の裕福層しか縁が無かったり、どこも同じような購買層向けのショップが並ぶことに辟易していることからの思いが、「抵抗がある」という想いに転化していたのかもしれません。建物が変わる現実は目に入るけれど、暮らす人々のそれぞれの想いは分かる術はない・・・そう思うと、里帰りしただけの身で口にすることって難しいよなぁと思う昨今です。takeさんがお好きな国でも、こういうことはあるのかなぁ?
Commented by hongkonggaffe at 2015-12-11 20:23
♫ 爽子さん
ウチの中でだけですが、案内表示は、かなり浮いていました(笑)。しかも、西環の新駅は3ヶ所とも道路の出入り口からホームまでたどり着くのに長~い通路を歩くために、実際のホーム部分からかなり離れている道路でこの表示板を見ることになり、広範囲です。「は?駅があるのはずっと向こうのはずなのに、こんなに離れたここから案内板が出るの?」という驚きも手伝ってて。そうそう、「この駅の表示板と、隣りの駅の表示板って、ほとんど同じ場所に立ってるやん」っていうのもあるかな。入口からホームまで延々歩いてると、「こんなに地下を歩くなら、地上で隣り駅まで歩けるやん」というのも現実。おかしなものですねぇ。・・・支援計画って、まだかなり限られた地区の限られた唐樓に対してだけのようですね。
Commented by leslie339 at 2015-12-12 04:29
こえださん
カラフルパッチワーク凄く素敵ですね、いつまでも残って欲しい風景、でもそこで生活する人の利便性、考えさせられますね。。。
何年か前に西環には築100年以上のトイレも無い唐樓が倒壊寸前なんて記事を読んだ事がありますが、それらはもう無くなってしまったのでしょうか?
今回の香港で黄竹抗へ行ったら高架線でMTRが出来ていました黄竹抗站って言う入り口も完成していました一体何処まで伸びるんでしょうMTR???香港島一周しちゃうのかな???
Commented by ころた at 2015-12-16 06:38 x
だんだんこうやって知らない風景の香港が増えていくんだなぁ。
って、行けばいいのですがね。

湾仔のブルーハウスやお隣の黄色の建物
あるいはもっと金鐘よりやはり湾仔にある今は塗り替えられた緑の建物
もともと香港にはカラフルな建物があったんですよね。
そしてビルの形も何気に同じように並んでいても
よくよく見るとさまざまなデザインがあって。

これもまだ朝、街が目覚めたばかりの無防備な姿をさらけだしているからわかるんですね。
Commented by 杏♪ at 2015-12-16 17:26 x
そか・・・そうですね~!
MTRが延びてから1年経つのですね。
私も思わぬところに駅の出口があったりして、まだ慣れませぬ。
こえださんの写真をみると、私ってあまりにもまわりに注意をはらっていなかったのだなぁ~って思います。
なんだろう。
空気を感じて進んでいたってことかなぁ?
多分、一人が多いから、気を抜いたらいけないって、緊張していたのかもしれないです。

また新しい駅ができて、LINEが延びて、そちらへ目がみんな行くようになったころ、少し馴染むのかもしれないですね!<西の新駅達
Commented by hongkonggaffe at 2015-12-17 14:52
♫ 花襲人さん
花襲人さんにも、このパッチワークの美しさに共感して頂けること、嬉しいです。いいですよねぇ、これ。支援計画でどう変わるのかなぁと気になっています。この【美】を感じる方が責任者だったら、こういう方向で再現するかな?とか、まったく気にせず違う物になるのかな?とか、あれこれ想像してて。灣仔の三叉路に建つ丸ビル、ご存知のようにすごいちぐはぐなカラーですよね。真っ白ですすけた色が美しかったのに、改修であの信じられない色の組み合わせになって現れた時、「さすがにコレはないだろう!:怒」と思いました。何年も経つけれど今でも違和感ありあり(笑)。・・・西環のその唐樓、どこなんだろうなぁ。何年も前の事でしたら、もうすでに、、ですよねぇ。倒壊かぁ、それは辛い。とうの住人にも周りの方々にも良いことではありませんものね。土瓜灣のあの倒壊した時期と同じ頃なのでしょうか?
Commented by hongkonggaffe at 2015-12-17 14:59
♫ ころたさん
知らない風景、ほんと増えて行きますね。変わって行くしかない街なのですから、増えていくのが当然だけど、やっぱり見慣れた物が消えるのは慣れないです。地域の方々は徐々に慣れるのかなぁ?旅行で来ている身だから回数多く見ていられるわけじゃないので、限られた回数で目にするだけだと違和感アリアリのままです。そういえば、灣仔の質屋さん、Pawnでしたっけ?(綴り違うか?)あそこは形はあのままだけれど、今のようにきれいに飾られたり塗り直されたりしただけで、なんだか別物のような感じがぬぐえないんですよね。色はやっぱり新しいと、同系色であっても変わっちゃいます。ころたさんがおっしゃるようにブルーハウスなども、地域の人々からすれば、改修後の姿はしばらく馴染めなかったのかも?・・・朝の無防備な姿、これは滞在近所の出ないと出会えないので、いつも上環界隈しかありません(笑)。
Commented by hongkonggaffe at 2015-12-17 15:09
♫ 杏♪さん
そう、1年がたつんですねぇ。あっという間。日本で暮らしてる日常の中で「今年もあっという間に12月!」「あれからもう1年経つんですね!」等々の言葉はよく耳にしますが、いつも暮らしているわけじゃない香港という土地で、年月の早さを実感することは予想していませんでした。杏♪さんの当時のレポを拝見しながら「うわぁ~本当に開通しちゃったんだ」とか「とうとう残る西營盤も使われ始めたんだ」などと思ってたのに、はや1年。杏♪さんも慣れません?そうかぁ。回数行ってても慣れないものだとしたら、ウチは違和感が消えるまでに何年かかっちゃうんだろう?(笑)・・・先日のお話の薄扶林村から先の土地でも、MTR新駅がほぼ完成してました。九龍城の方では工事の囲いの中で建設真っ最中でしたし。おっしゃるように人々の目がそちらに流れた時、やっと西環が落ち着くのでしょうか(落ち着くって、何が?ですけど:笑)
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「暮らすように滞在していたい」 と思いながら里帰りする香港の日々。


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