街角で聴ける楽器の音色  ~ Traditional Musical Instruments in HK ~

アジアの国々の “ 民族音楽 ・ 民族楽器 ” にとても惹かれていた頃、
旅行と楽器収集を兼ねて 出掛けていた時期がありました。
本物の民族楽器 ( Traditional Musical Instrument ) を手に取りたくて。

諸国の音楽や楽器を聴いたり買い求めたりしたくても、
今のようにPCなどで検索してWebの情報を手に入れるなんて出来なかった時代。
数少ない本から 街や音楽事情を調べ、情報不足のまま出掛けてました。



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J☆Bを通してツアー旅行 ( だけど、だいたいがウチだけ ) で渡航し、
現地添乗員さんに無理を言って観光地巡りを断り、自由行動。
ホテルのスタッフに民族楽器を扱う楽器店を探してもらい、
バスやスタッフの知り合いのクルマに乗せてもらったりしつつ、目指す街へ。

勝手の分からない見知らぬ街・・・無事に楽器店に到着したら、
店の主人や来店客に事情を話して、奏でてもらったり相談したり。
音の出し方を教わって、楽器と その楽器の消耗部品交換に必要なものを購入。
主人や、その子ども、あるいはお客に 同業者を紹介してもらって、また次の店へ。

・・・ここまでも、このあとも、会話はほとんど 身ぶり&手ぶり&絵&筆談・・・。
ホテルスタッフは別にして、現地の人とは英語なんて通じない国がほとんどで。
観光客を相手に商売してるわけじゃないから、英語なんて使わないものね。
・・・いや、英語でやり取り出来そうでも、僕の小学生英語は あてにならないし・・・。



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いろんな国の顔にちょっとだけ触れることが出来て、面白すぎました。

高速バスで2時間近く走らないと行けない街への往復切符の買い方が分からなかったり、
路線バスの中にバタバタ飛びそうなニワトリを抱いて乗って来る買い出し客と相席したり、
ピックアップトラックの荷台から振り落とされないようにつかまって山道や峠道を走ったり、
暇だから連れてってやると言う添乗員の原付バイク後部席で死ぬほど怖い思いをしたり、
店かと思ってたら露店や民家だったりして、おやつをご馳走になりながら値段交渉したり。
etc , etc ・・・ 日記帳を持っていってたら1回で1冊書けるような日々(笑)・・・。

まぁ、ほんとに、
“ 言葉が何も通じない不便さ ” なんて どうでもよくなるような
“ 予定コースまったく白紙で 何が起こるか分からない楽器探し ” を繰り返していました。
・・・こういうのって、若いから出来ちゃったんでしょうねぇ・・・(遠い目)・・・今は絶対無理。

持ち帰りにくそうな大きい楽器だと、店主や持ち主がその場で解体してくれる。
部品ごとに預け荷物用と手荷物持ち込み用に分類。
重量オーバーになると金銭的にも ちょっとタイヘン。
でも、空港職員や機内のCAさん達って、どの国でも楽器を手厚く取り扱ってくれたんです。
自国の民族楽器って 国の財産であり文化ですから、
誇りを持っての丁寧な扱いというか、手を差しのべて受けてくれるというか。
預け荷物も機内持ち込み荷物も、
楽器についてはほとんどファーストクラス対応で、持ち主のウチだけはエコノミー対応(笑)。
いつだって、どの国でだって、本当に安心・信頼して日本へ持ち帰ることが出来ました。



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そんな流れのひとつで香港を訪れた時も、ホテルで教わり楽器店に何度も行きました。
その中の1軒が、粤華楽器行。
昔は佐敦に小さな店を構えてたけど、今は灣仔に移転してて 前よりずっと広い店内。
年月の流れで他店が閉店する中、粤華だけは踏ん張って商い続けられたのでしょう。
繁盛している証拠だと思うのだけど、数年前に店の看板が新しく塗り替えられました。
以前の看板には思い出があるけれど、補修された事実は嬉しかったなぁ。
この先もここで商い続けて行ける という証ですものね。

売り場の1階から階段を上がると、2階は倉庫のような状態で大きめの楽器たちが。
打楽器や笛の類は、見よう見まねで それなりの音を出せるようになります。
でも・・・弦楽器は、どうにもこうにも楽器本来の音が出せないのです。
難しい・・・ “ なんちゃって音色 ” でもいいから奏でたい・・・けど、出せない・・・。



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そんな憧れの弦楽器の音色を 香港の街角で聴けることがあります。

灣仔や荃灣のMTR駅出入り口で見かけたのは、二胡をずっと弾き続けている人達。
中環のフェリー埠頭から街へつながる空中回廊でも、二胡を弾く男性と会うことが。
やっぱり、 こう、 なんて言うか、
【 不特定多数の通行人にアピールするかのような奏者 】 だから、
駅や埠頭などの人の出入りが多い場所を望んで陣取るのでしょうね。

そうでなくて、あくまでも趣味で楽しんだり、お馴染みさんと楽しんだりする人達も。
元朗で髪を切ってもらう露店床屋のおじちゃんは、お客が居ないとずっと弾いてます。
好きなんでしょうねぇ。 ずーーーーっと弾いてる(笑)。
露店床屋からちょっと離れた広場の木陰に居ても、
おじちゃんの二胡が聞こえてくると、「あぁ、今だったらお客は居ないな。」と分かるし、
もうすでに、近所のおじちゃんも聴きに出てきてたりするし。
( おじちゃんに坊主頭にしてもらってから二胡の演奏をお願いした記事 → こちら 。)



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二胡 という、同じ弦楽器だけど
お小遣い稼ぎなのか、明日の暮らしのわずかな糧なのか、必要があって奏でる人達。
いっぽう
純粋に趣味にしてて、ただただ 【 音 ・ 楽 】 のように、一人でor仲間とで奏でる人達。

どっちが良し悪しとか、そんなことは考える必要も 詮索する必要も なくなるほど、
どちらの “ 生の音色 ” も、ココロの琴線に触れることがあります。
民族楽器の “ 生の音色 ” って、優しくて心地良いものが多くて。
ときどきだけど、
アンプやスピーカーなどを通して、けっこうな音量でガンガン鳴らしてる人達もいます。
二胡や琵琶の弦のところにマイクを付けてて。

・・・そういうのって・・・どうなんだろうなぁ・・・
・・・うまく言えないけれど・・・
・・・電気器具を通して「ここで弾いてるぞー!聞いてってくれー!」と声高に鳴らしちゃうと、
せっかくの楽器本来の音が・・・・と、個人的には。。。
やっぱり、素のままの “ 生の音色 ” は人の耳に優しいですもん。
立ち止まりたくなったり、曲のメロディーを想い返しながら歩けたりして。

じつは、アジアの民族楽器には、 “ 生の音色 ” の美しさ だけじゃなく、
“ 形 ・ 模様 ・ 弾き手のさま(姿や動き) ” の美しさもあります。
西洋楽器よりもそれを強く感じる時があると、
「自分が【アジア系 炭水化物星人】だから そう感じるんやろうなぁ。」 と思うことも。

・・・なんて、憧れて 探して やっと手にして 連れ帰ってた民族楽器たち。
なのに、
楽器本来の音色を鳴らせないまま、可愛そうなことをしてきてるなぁ と最近になって反省。
「罪つくりしたままじゃあかん」ということで、生かせる道を拓き始めたところです。

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Commented by leslie339 at 2016-01-26 22:31
こえださん
凄いですね楽器が出来るなんて~~~私は何も出来ません聴くだけです。。。
楽器がお好きなら是非一度広東オペラを御覧になってみて下さい。
土曜日の午後なら文化博物館で10HK$で楽しめますから。
広東オペラの一曲位歌いたいと思っているお馬鹿な私です。。。
2枚目のお写真と最後のお写真、凄く素敵です!
Commented by chintau at 2016-01-28 08:26
20年ほど前まで子供の頃から趣味でバイオリンを弾いていたこともあり、今でも音楽は身近に思ったり、時に遠くに感じたり、何だかんだ言って近くにあると勝手にですが思っています。
アジアの音楽は、他のよりもっと近く、ちょっと大げさかもしれませんが、魂に寄り添ったり、ぐっと掴まれたり、ヨーロッパの音楽も寄り添ったり掴まれたりする感覚は、あるのですが、もっとストレートな感じ。。。静かに目を閉じて聞いていると、なんだかちょっと泣きたくなるような切なさもあったり、同じアジアに住んでいることを光栄に思います。
Commented by POCHI at 2016-01-30 07:54 x
私も民族音楽には惹かれるものがあります。

かつて沖縄音楽かぶれで、沖縄民謡を少々かじっていたこともありました(^_^;)
もっとも将来の楽器音痴でちょこっとたしなむ程度ですけど・・。

香港での民族音楽?どんなものがあります?

広東オペラは認識してますが、例えば先住民族の文化なんかは香港にはほとんど残っていないですよね?
(台湾には先住民の音楽も多々残っているようですが)

元来民族音楽(祭りも含め)はその土地の生活に根ざしたものだと思ってます。

CDで聞くよりも現地で生の音に触れると感動が違いますよね。

かつては香港のポップスシーンにも若干の関心があり、CDを買って帰ってきたりしてましたが、最近はCDショップに立ち寄ることも少なくなり、香港では音楽に触れる機会もめっきり減りました。

なにか興味深い民族音楽があれば教えてくださいね。
Commented by 爽子 at 2016-01-30 15:59 x
二胡とか習ってらっしゃる在住の日本人の方も多いですよね。
民族楽器かどうかわかりませんが、アボリジニーのディジュリドゥが昔から好きなんですが、最近香港でも街頭演奏される方々がおり、TVの特番でも紹介されてました。
時代の流れを感じますねぇ。
Commented by hongkonggaffe at 2016-01-30 19:06
♫ 花襲人さん
写真のこと、ありがとうございます。尖沙咀の天星小輪碼頭すぐ脇で奏してた陽気なお三方は、聴いている間に何度も手を振ってくれました。こちらもニコニコしないではいられなくて。最後の1枚は露店床屋のご主人ですが、どんな角度からカメラを向けてもこちらに顔を向けて下さって(笑)。・・・昔は、油麻地の天后廟横の街市街にテントを張っての生演奏と歌唱を毎晩のように聴きました。演者が観客を回ってお代を徴収してて。お盆に重なると街の広場に組み上げた屋外ステージでオペラを演じてた時代です。どちらも規制や建築物が増えたことで消えてしまいました。文化博物館情報、ありがとうございます!
Commented by hongkonggaffe at 2016-01-30 20:13
♫ chintauさん
いつも傍らに音楽がある素敵な日々だったのですね。バイオリン!ずっと続けてらした日々の中で、身体の成長と共に楽器の大きさも変えていくのでしたっけ?友人の一人がビオラを奏していますが、ビブラートが出来るようになるまでとても長い道のりだそうですね。バイオリンも二胡も弓と弦の摩擦から音を醸し出す楽器、指を落とせば音が出せる鍵盤楽器とは異なる難しさがあるように思っています。仰るようにアジア楽器だとひたひた沁み込んでくるような趣きがありますよね。どちらかというと長調で完結する曲ではないタイプが多いからか、哀愁を帯びた印象になることが多いのでしょうか。陽よりも陰のような?
Commented by hongkonggaffe at 2016-01-30 20:29
♫ POCHIさん
そうですよねぇ、香港土着の音楽ってどうなんだろう?やっぱり大陸とほぼ同じ楽器が使われますけれど、それらで奏する粵劇や戯曲もそうなのかなぁ。返還の年前後までは毎晩のように繰り広げられていた街角ライブだと、楊琴に二胡、鈴に中華シンバルに木板、横笛、、、といった弦・打・吹奏の楽器が共通でした。これって京劇と同じなので、編成そのものは大陸と同じなのかな?戯曲の歌詞がどこで生まれた物かは自分には分かっていません。仰るように民族音楽は、祈り・祭事・労働の場面から生まれて継がれてきたものですね。日本でも同じなので、声明を聴いてからお経が身近に感じる瞬間さえあって(笑)。
Commented by hongkonggaffe at 2016-01-30 20:42
♫ 爽子さん
そうかぁ、日本人の方々も手に取って習得しようとされるんですね。北京の職場に居た友人が二胡を習って帰国しました。師匠の手を通してきちんと手続きを取って持ち帰りましたけど、胴に貼ってある蛇皮の関係で持ち出せない場合もあるので、気軽に持って帰国しにくい楽器かもしれません。手続きなど一切知らずに持ち込んだ自分がどうして可能だったかがまったく謎です(笑)。ディジュリドゥほどシンプルな外見なのに難しい楽器ってなかなか他にないような?現地へ行ってないので京都の楽器店で買いました。フーフー息が漏れるだけで音がまったく出せません(笑)。完全にオブジェになってます。。。
Commented by 杏♪ at 2016-02-03 13:50 x
あちらでみたコレクションのお写真、凄かった~!
お仕事につながるような好きなものの収集、なんかステキです。
手放されることを決意するには、たくさんの時間が必要だったのではないかと思います。
(って、勝手に想像しているだけで、本当には私ごときにはわからないお心なのでしょうね。)

友人に二胡を習っている人がいて、そういった意味では比較的身近なのでしょうけれど・・・
やはり、香港の街角で聞きたいのは二胡のなんともいえない感性にこうシンクロするようなあの響きかな。
でも、最近出会うのは・・・どこかの国のギターのおっさん!(-_-;)
Commented by hongkonggaffe at 2016-02-04 04:50
♫ 杏♪さん
そうですね、仰るように仕事と直接つながった物だったので、自分は幸せだったかも(うまく鳴らしてもらえない楽器たちは幸せじゃなかっただろうな:笑)。一人でしまっておくことが無く、大勢が触って音を出そうとしてもらえた楽器たちだから、そういう意味ではちょっとだけ幸せな楽器たちだったかも?・・・うん、手放すまでの迷う気持ちは、杏♪さんが思い浮かべて下さった感じだと思いますよ。ありがとうございます。【持ってた時間の長さ=決めるまでかかった時間の長さ】なんでしょうね。それだけにスッキリお別れしました。・・・外国人の人、増えましたよねぇ。そうそうかき鳴らしてます(笑)。「ん~、もうちょっとだけ練習してから登場したほうがぁ、、、」タイプのかたが多いような???
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by hongkonggaffe | 2016-01-26 19:05 | 香港ふうけい | Comments(10)

「暮らすように滞在していたい」 と思いながら里帰りする香港の日々。


by こえだ