乗り物で海に近付き 歩いてビーチに立つ

香港へ向かう往路、着陸に備えて機体が少しずつ高度を下げると、まずは船が見えてくる。
ポツポツと見え始めた船に続いて陸地が目に入り、胸の高鳴りがぐっと上がる。
「帰って来たよ。もうすぐそこへ行くよ。」
飛行機から遠かった海に近付いて行く過程って、いつもワクワクする。



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乗り物の中に居る間は、なんだか遠さを感じる海。
だんだん近付いて行って やっと到着し、
目の前いっぱいに広がった時、海のよそよそしさは すっかり消えている。
そういう時って、自分と海の “ 気持ちの距離間 ” が 縮まったように感じる。
この嬉しさは、滞在中に何ヶ所かで味わえる。

たとえば 長洲島で。

中環からフェリー(新渡輪)の普通船(高速船じゃない方)に揺られて40分ほど。
長洲島に向かう間、海面はすぐそこに横たわってるけれど、
壁に遮られているものだから、近くて遠い。

だけど、島に到着後 そのまま東灣路を歩いてTungWanBeach(東灣海灘)に向かうと、
両側を民家や海の家に挟まれた小道から、いきなり目の前にビーチが広がる。
「 ほぅら、そろそろ見えるぞぉ~、 3! 2! 1! ほほぉ~ぃ!!」
突然飛び込んでくる光景に、いつも「うわぁぁぁ~」って思う。



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たとえば 赤柱で。

香港島の北側に集中している街から、南側の赤柱へ路線バスで向かう。
けっこうなスピードで山越えしていると、遠くに海岸線が見えてくる。
何度もカーブを繰り返しながら、少しずつ海へ近付いて行く。
西側から回り込む薄扶林道でも、中央からアプローチする淺水灣道でも、
山の木々に何度も遮られて じらされながら乗って行くと、海は近くに来てくれる。
やっと終点に到着してバスから降りると、赤柱の小さな町。

土産物屋が軒を並べる赤柱大街に向かって歩き 左へ曲がって細い路地に入る。
両側に並ぶお店が消えるまでまっすぐ歩き、観光客が引き返す突き当たりを更に進むと、
右側の木陰越しに小さなビーチが現れる。
引き返した人々は逆方向の赤柱廣場方面へ行きがちなので、
人影の無い 寄せる波の音だけが聞こえる 隠れ家のような秘密のビーチ。



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たとえば 石澳で。

筲箕灣のバスターミナルから 9番の始発バスに乗ると、
東から回り込む石澳道をくねくね走って山越えをし、小さくて静かな町 石澳に到着する。
ひなびたバス停で降りて、こっちにもそっちにも寝そべってる猫達に挨拶しながら歩く。
ゆるやかな坂道を上がりきると いきなり目の前に海が現れる。
視界いっぱいに広がる海は、遠洋まで見通すことが出来る。

突き当たりを左に歩けば、波が岩に激しくぶつかる荒々しい海岸が続く。
反対方向の右へ歩けば、のんびり過ごす人々が居る広いビーチが迎えてくれる。
ゆるく弧を描くような砂浜で、裸足になって歩きたくなる。



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どのビーチも、
乗り物の中から遠くに見えていたものが、わずかな時間で自分の足元に来てくれる。
街 から 町 へ。
コンクリートの街 から ビーチのある町 へ。
街と海とが隣り合っている香港だから、
エネルギッシュな街の空気から少しだけ離れたくなった時、海はいつでも迎えてくれる。

青空が広がる晴天の日は、自然を求めてやって来る香港の人々で混む。
だから、
曇った日や小雨の日だと、ビーチのある小さな町で 思う存分深呼吸できる。
じつは、晴れ渡った日以上に 海は「ようこそ!」と両手を広げて迎えてくれる。


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by hongkonggaffe | 2016-03-01 13:55 | 香港ふうけい