カテゴリ:香港ふうけい( 177 )

敬う場所に飾り付けられた 美しい細工  ~ 香港の廟 その3 ~

撮りためた写真を見直していると、
香港のそこここに建つ廟に共通するものを感じることはいくつも。

「この廟にも、やっぱり木々が寄り添ってるね。」 → 廟に寄り添う樹木たち
「無音の空間、漂う煙と光、心地良いよなぁ。」 → 信仰の場の音と渦巻き線香たち
・・・で、同じように、
「ここの細工も、また美しいねぇ。」 と見入っちゃうのが、門や壁や屋根を飾るもの達。
多くの場合は左右対称のシンメトリーな装飾で、描かれているんじゃなくて立体的な細工。

樹木に見惚れて 内部にすっかりほぐされて出てくると 見逃しがちになる自分だけど、
外から飾りを眺めた時も、「ここにお邪魔しに来てよかった。」 と いつも思う。



e0248743_20292882.jpg


e0248743_20365136.jpg




どうなんだろう?
祀ってある神様の廟によって、違いとか同じ部分とかあるんだろうか?

香港の廟で祀られている神様たちは、それぞれ。
武道の神様、海を守る神様、学びの神様、商売の神様・・・・・・。
その廟ごとに、飾り細工にも何か共通したものがあるのかなぁ?
まったく分からない。

お目出度さや縁起をかつぐもの達が目に付く。
金魚。
龍。
桃。
蓮。
鳥。
門塀や屋根飾りの細工の細かさは独特。
ヒンドゥー教の寺院も少し似たイメージで 細かくて様々な色が使われているけれど、
やっぱり儒教ならではのものが彫られ飾られているような気がする。



e0248743_20332128.jpg


e0248743_2035143.jpg


e0248743_20382986.jpg




“ 神様を祀る ” とは違っても、偉人や祖先を祀る場には、やっぱり廟と似通う飾り付けが。
史跡 ・古蹟(古跡)を巡っていると見かける建物の細工が、そう。

屏山文物径や龍躍頭文物径を歩いて行くと、
出会う建物それぞれに、
人々が敬う場として時を経てきた細やかで美しい細工 が施されている。
その近くにある客家の方々の住まいや門の様子にも、同じ気持ちを持つことがあるし。



e0248743_20403675.jpg


e0248743_20405974.jpg


e0248743_2041377.jpg




この空間の中でしか頂けない何か。
異教徒の旅行者としてお邪魔して、建物から外へ出て、門をくぐって歩道に出る。
眺めると、廟の天井から漏れて立ち昇る線香の煙と飾りとが一緒になって美しい時がある。
雨天だとちょっと見づらいけれど、雨で浄化され日に焼かれて時を経てきたことを感じたり。

廟で過ごすひとときは、落ち着き穏やかに過ごせる時間。

目から屋根飾りや廟内を愛で、
鼻から渦巻き線香の香りを味わい、
耳から音の消えた空間で “ 静と気 ” を受け取る。

「ここにお邪魔しに来て良かった」 と やっぱり思う。



e0248743_20423882.jpg




だけど。
ほんとにそう思うんだけどさ、
廟を出ると 一気に全身が俗っぽさに戻る小学生男子。
視覚・嗅覚・聴覚などなど総動員で特別な空間に居たものだから、
感覚すべて使い果たしてるから、廟を出たあとは とたんにお腹がすくわけで。。。

頭の先からつま先まで穏やかだったはずなのに、
廟に背を受けたとたんに一気に襲ってくる空腹感。
「 さ、さ、なに食べる~? 」 
「 どの店へ行く~? 」 
「 飯? 麺? 」
・・・・・・。
・・・・・・。
あいかわらず。。。



e0248743_937895.jpg




そう言えば。
とある街を歩いていて、見上げた建物の上階に廟らしき部屋を見たことが。

そう、
“ 廟が建っている ” ではなくて、
“ 廟が入っている ” というような。
ベランダの上に「●●古廟」と記された表示が掲げられているように見えたんだけど、
風がやんでる中では、その旗がどのような物だったのかも分からず。
他と同じように神様が祀ってあるのか、新興宗教のようなものなのか、それも分からず。
「アパートの一室に廟だとしたら、これもまた香港ならではなのか?」と。

一般的な廟や 文物径で祀られている建物たちは、
敬う人々が訪れに来る以上、この先も絶対に取り壊されることはない。
だけど、もしも廟が入っているのだとしたら このアパートはどう扱われるんだろう?



e0248743_2055977.jpg




次の里帰りでも、きっとまた再訪する廟がある。
新規開拓で歩いたことが無い道を行けば、「初めまして」の廟もあるかも。
2倍速3倍速で先を急いで移動する里帰りだけど、
廟や文物径などのように祀られている場は先を急がずガツガツしないでお邪魔してみよう。
「 いやぁ~、出来ないんじゃないの? 」
・・・そうだねぇ・・・自信は無いけど、身を任せられたら良いねぇ。

カエルくんをポチッとして頂けると、励みになります。026.gif

にほんブログ村
[PR]
by hongkonggaffe | 2016-04-15 22:50 | 香港ふうけい | Comments(2)

渦巻き線香と廟の中の男性 の記憶  ~ 香港の廟 その2 ~

香港の廟に初めて訪れたのは、旅行会社のツアーに参加していた時だった。
3泊4日だったかのJ☆Bのパッケージツアー。
啓徳空港の出口で出迎えてくれる初日から、空港へ送ってくれる最終日まで、
香港人の現地添乗員さんが付きっきりで観光案内をしてくれた4日間だった。

最終日以外の3日間で、あちこちの観光地へ連れて行ってくれた。
すべてツアー会社が選んだ場所や店に行き、指定されたレストランで食事をするのだから、
今思えば、 “ 市中引き回しの刑 ” だったような?

いやいや、そんな 横柄な見方をするもんじゃないし、団体ツアーを軽く見ちゃあかん。
やっぱり初めての国の初めての土地で観光案内をしてもらえることって、大事だと思う。
自分で回るわけじゃないから土地勘なんてまったくつかめないけれど、
連れられて行ったどこかには、必ず再訪したい場所や食べたいものが残るのだから。

「 あの時に見たアレ、もう1回見てみたい。 」
「 あの時に食べたアレ、もう1回食べてみたい。 」
もしもツアー先で惹かれた物があったなら、「いつか個人でもう1度」と願うきっかけになる。



e0248743_1424976.jpg




上環の文武廟に初めて入ったのも、初香港のこの最初のツアーだった。
淺水灣やビクトリアピークや初飲茶体験と同じように、観光コースに組まれていて。
有名どころと同じ観光コースに入っている文武廟は、今もかつても名所なんだなぁ。

廟の真ん前の荷李活道にツアーバスが停まり、添乗員さんの後について内部へ入った。
入るなり目に飛び込んでくる無数の渦巻き線香と、立ち込める煙や匂い。
添乗員さんは廟の由来やお参りの方法を きっと教えてくれた ( はずだと思う ) 。
だけど、語りかけてくれる話なんて耳に入らないくらいの光景に、ただ見入っていたと思う。

廟の内部の光景の他に ただひとつ思い出せるのは、
とある香港人の男性の姿から 廟の中でのマナーを学んだこと。
もっともそれは、その男性から直接なにかを話しかけられたわけじゃないし、
マナーを学んだというよりも、別なことを教わったような気がするんだけど。

ウチより先に入っていた欧米人の観光客達が、フラッシュをたいて撮影していた時のこと。
何度かフラッシュを光らせてパチパチ撮影している観光客達に、
廟の管理担当のような雰囲気で隅に座っていた香港人の男性が静かに近付いて来て、
フラッシュ撮影NGだということを 言葉の無い言葉で告げたのだ。



e0248743_1445358.jpg




ゆっくりと歩み寄った男性は、カメラのフラッシュ部分を指差しながら黙って首を振り、
フラッシュ撮影はNGだということをすぐに理解した欧米人に向けて、にっこり微笑んだ。
穏やかな動きと顔つきで元の場所に戻る男性を見ていて、何か感じるものが残った。

撮影をするならフラッシュを使ったり参拝する人々を撮らないことがマナーなのだと知った。
“ 少しだけお邪魔します ” という気持ちをいつでも持っていられることは大切。
それは香港以外の国々でも同じだけど、
観光で気分が高揚してると つい忘れがちになること。

それと同時に心に残ったのは、
廟の中でのマナーを静かに伝えた香港人男性の立ち振るまい。
離れた所から叱ったり 声を強めてとがめたりするのではなく、
静かに近付き、そっと制して、相手が理解したことを受けて穏やかに離れる・・・。

廟の中でのマナーを伝えた香港人の男性の姿は、
廟内に流れる空気そのもののような気がしたのかな・・・自分には忘れられない光景。
渦巻き線香の様子や匂いと共に、その男性の接し方が 特別な印象になった。
ガイドさんの話は何一つ覚えていないけど、今でもそんな事だけは思い出す。



e0248743_1411137.jpg




いろいろな街のあちらこちらに廟はあるから、見かけると今でもそっと入る。
自分なりのご挨拶をさせてもらった後に、どこの廟でも 天井を仰いで見る。
無数の渦巻き線香から細い細い煙が昇って、天井近くで もやを創りながら漂う。
廟によって形は違うけれど、天井から外へと開いている部分まで、もやが漂う。
外から差し込む光に照らされて、廟の中に “ 天使の階段状態 ” が生まれたり、
廟の外から眺めた時に 廟の屋根越しに もやが空へ抜けていったりする。

神様を敬い、何かを願ったりお礼を伝えたりして祈る人々の想いは、
ゆっくりゆっくり焚かれて昇った煙と共に 廟の内部から外へ抜けて廟の周りに漂い空へ。
小さなものでも1週間、大きなものだと1ヶ月近くかけて燃えていく渦巻き線香。
想いをのせて穏やかに立ちのぼり、時間をかけて消えていくことを考えると、
何でもせわしなくて時間の速さや変化が急な香港だから、特別な存在だなぁ と思う。
なにも 有名な文武廟でなくても、どの街のどの廟でも、それは感じる。



e0248743_1419591.jpg


e0248743_14194714.jpg




ほんとにそう感じてるのに、僕には物欲がやっぱり付いてまわるんだよなぁ。。。
添乗員さんに連れられて入って一目惚れした渦巻き線香をどうしても手に入れたくなって。
2回目か3回目の訪港のわずかな自由行動時間に、仏具屋さんに買いに行ってしまった。
冒頭に書いたけど、
「 あの時に見たアレ、もう1回見てみたい 」 が、 「 買っておきたい 」 になっちゃって。
・・・。
・・・。
あかん・・・その頃から 既に僕は物欲のカタマリ。

上海街にあった梁永盛香庄という仏具屋さんで、いちばん小さいのを2つ買い求めた。
厚紙の上に蚊取り線香を畳んだ状態で売られてて、直径30㎝ほどで1つが当時35$。
超貴重品扱いの手荷物にして持って帰り、
1つは買った時のまま保存し、1つは部屋に吊り下げた。
その吊り下げた1つは今でもそのままで、こうしてブログ書いてる左上にぶら下がってる。

吊るした年から数えると、もう25年~26年。
だけど、畳んだまま保存してある方はもちろん、
吊るしたままの1つでさえ、1回も折れたり色褪せたりしないのがすごい。
人の想いを届ける渦巻き線香だけに、そういうものなんだろうか?
火を灯した瞬間から尊い物になるのだろうけれど、
火を灯す前から すでになにか持ってるものがあるんだろうか?・・・とさえ思うほど。



e0248743_1429288.jpg


e0248743_14351074.jpg




いやぁ、本当にそう思う。
初めての渦巻き線香に圧倒されたことも、
廟の中で見かけた男性の姿から何かを教わったことも、真実。
今でも滞在中にあちこちの廟に入って思い出すことや想うことも、真実。
だけど、
いまだに部屋の天井から吊り下げたままの状態は、現実。。。

物欲と俗っぽさにまみれてるから、本来の使い方もせず飾りにしているだけ~。
・・・。
・・・。
某日本人観光客が神聖な渦巻き線香を持って帰って部屋に吊るしているだけと知ったら、
もしかすると、
文武廟で見かけたあの男性が 静かにたしなめに来てもおかしくないかも。。。

カエルくんをクリックして頂けると励みになります。015.gif

にほんブログ村
[PR]
by hongkonggaffe | 2016-04-10 22:15 | 香港ふうけい | Comments(6)

信仰の場所に寄り添う樹木たち  ~ 香港の廟 その1 ~

ウチの地域では、例年4月の第1週が春祭り。
3日の日曜日に、大人の先導で子供達が神輿(みこし)を担いで練り歩いてて。
♫ 「 ワッショイ 」 ドンドン 「 ワッショイ 」 チンチン ♫
太鼓と鐘の音と掛け声とが行き来して、にぎやかで。

各町内から練り歩いてきた行列が集まるのは、地域のほぼ真ん中にある神社。
こんもりとした小さな森の中の神社に神輿たちが集結した後、
各地域の途中途中の祠(ほこら)に寄りながら、それぞれ戻って行く。

田畑がまだまだ残ってる おらが町では、けっこうたくさんの祠が あちこちに点在する。
まわりに何もない田畑だけが広がる中にポツンポツンと祠があり、
その祠を囲む小さな 【 鎮守(ちんじゅ)の森 】 があって、樹木たちが拝殿を囲んでいる。
生まれた時からずっとここに住んでる自分でさえ、
こうして点在する鎮守の森は別格の場所で、そこだけ特別な空間だと感じる。
不思議なもので、周りとは別の 凛とした空気 が漂ってる気がする。



e0248743_20501957.jpg




鎮守の森だなんて、そもそも字が難しいし 日常では使わない言葉なのに、
幼い頃に何度も歌った唄のおかげで、けっこう身近な言葉になってる。

【 村祭 】 っていう唄が、そうだった。
   ♫ 村の鎮守の神様の 今日はめでたい御祭日
      ドンドンヒャララ ドンヒャララ ドンドンヒャララ ドンヒャララ
      朝から聞こえる笛太鼓  ♫

僕の歌の引き出しの中の1曲だけど、この唄を習った人は きっと多いんじゃないかな?

口ずさんでみると、うん、まさにウチの地域の春祭りそのもの。
幼稚園児や小学校低学年の頃から歌ってたこの唄のおかげで、
「鎮守の森っていうのは、神様が人里に降りてくる場所。」
って自然に教わったような気がする。
「神様がやってくる時の玄関口」 ・ 「神様が目印にする場所」
・・・だからそこだけ樹木がこんもりしてるんだよね。



e0248743_2047748.jpg


e0248743_20472536.jpg




香港で散歩してると、あちらこちらで廟に出会う。
で、ほとんどの廟には、樹木が寄り添ってる。
廟の周りの樹木。・・・なんとなくだけど、僕には “ 日本の鎮守の森 ” と重なる。

ウチの周りのように田んぼが広がる中にポツンポツンと建ってる祠とはタイプが違うし、
香港のように高層ビルやマンションに囲まれてる廟を “ 鎮守の森 ” とは言えないかも。
そもそも、神道と儒教では世界が違うだろうし。
だけど、
自分が目にする範囲だと、ほぼ例外なく廟に寄り添っている樹木たちが ある。
「やっぱりこれも、神様が降りてくる場所だからなんやろか?」
「高層ビル群の谷間やもんな、神様が分かりやすいように玄関口を作っとかなきゃね。」
幼い頃に教わったことを、香港で散歩しながら思い出して重ねる。



e0248743_20492818.jpg


e0248743_20522436.jpg


e0248743_2053172.jpg




有名な観光名所になってる廟だって、やっぱり鎮守の森。

上環の文武廟なら、
クルマが疾走し大型観光バスが乗りつける道路と背後のマンションとの間に、
わずかながらも樹木が。

灣仔の洪聖廟だって、
路線バスやクルマがひっきりなしに通る道路に沿って建つ廟を 樹木が守るように立つ。

そうだね、 “ 守ってる ” ような気がする。
神様が降り立つ玄関口なのかもしれないけれど、
香港で見かける 【 廟と共にいる樹木 】 たちは、神様に寄り添ってるんじゃないだろうか。
年中強い日差しから、守ってる?
手強い排気ガスから、守ってる?
樹木が寄り添ってそっと守ってる廟、その廟に居る神様が人間を守る。
だとしたら、
人間は樹木たちにも守られている ということかも?



e0248743_20233072.jpg


e0248743_2024068.jpg




廟の近くには小さな小さな憩いの空間があることも。
その空間にも樹木の枝葉がかぶさってきてて、木陰を提供してくれて。
簡素なベンチがある場合もあるし、低い植え込みのレンガに腰掛けられる場合もある。
よく、じいちゃんやばあちゃんが木陰の中でのんびりしてる。

廟と樹木たちは、人に優しいものであると同時に 神聖なもの。
どんなに街の再開発が進もうと、廟だけは けっして手を付けられることはなく、
廟に寄り添っている樹木たちも 切られることはない。
憩いの場であり祈りの場でもあるこの場所は、これからもきっと変わらぬままだと思う。

あぁ~そんなこと言ってるくせにさ、
廟の木陰で いつも奶茶飲みながら休憩してるぞ自分。
じいちゃんやばあちゃんに混じって、右手に菠蘿飽・左手に凍奶茶とか。
ほぼ100%これしてる筲箕灣の城隍廟。
涼しい木陰はあるし、
年輩の皆さんが醸し出す柔らかな空気はあるし、
終着点と始発点になってるトラムの回転場が眺められるし。
あまりにも好条件がそろってて、出来過ぎの休憩場所だから。

・・・いつも のんびりさせて頂いているお礼を
神様と樹木たちに 次回は忘れないように伝えて来なきゃねぇ。。。



e0248743_20425231.jpg


e0248743_204168.jpg


e0248743_20413432.jpg


e0248743_20415911.jpg




鎮守の森がある日本の神社と香港の廟。
共に木立があることだけではなく、敬う気持ちがそこにある。
国は違っても人が 立ち寄り ・ 願い ・ 感謝し ・ 祈る場所 。

樹木たちは、すべてを見おろしてるんだろうね。

カエルくんをクリックして頂けると励みになります。043.gif

にほんブログ村
[PR]
by hongkonggaffe | 2016-04-06 22:37 | 香港ふうけい | Comments(5)

「今日の食事はちょっと屋外で」 っていう贅沢

おらが町では、ここ2~3日で桜が満開になりました。
ウチの近くの公園や 山のふもとの広場にも、桜を愛でに人が集まっています。

家族連れが弁当を持って来て桜の下でのんびりしてたり、
小中学生の女の子たちがグループで輪になってお菓子とジュースで乾杯してたり。
そう、
よくTVで目にするような、「場所取りしておいて夕方からビールで乾杯!」
っていう宴会タイプの花見にはなりません。
都会と違って田舎なので、花見の人で少々賑わうのはお昼少し前から夕方過ぎまで。
夕飯の時間が近づいてくれば、
食品の買い出しや台所に立つ時間になるので、み~んな家へと帰って行くのです。
だから、日が暮れる頃には満開の桜の下には誰も居ない(笑)。
「夜桜は無いの?」 → うぅ~ん・・・懐中電灯で照らせば、夜桜見物になるのかも?



e0248743_16293830.jpg




「桜の木の下で」もいいけれど、
桜でなくても、空の下で食事するのって、やっぱり気持ちが良いですよね。
「今日はさぁ、外で食べようよぉ。」って表へ出てみると、外で食べるだけで気持ちが良い。
豪華な弁当じゃなくて、 “ おにぎりとお茶 ” とか “ お菓子と飲み物 ” だけでもじゅうぶん。
同じ飲食するのに、屋内よりも屋外の方が う~んと美味しく感じるのはどうしてだろう?
外の空気は不思議な調味料。

香港里帰り中に空の下で食べるっていうと、
お店で外賣してきて食べに行くことが時々あります。
“ 蜜汁叉焼飯 ” や “ 「あれこれそれの指差し自助餐 ” や “ ローカルパン ” を何度か。
街の公園で、街市近くの階段で、中環エスカレーター下のベンチで、運動場のスタンドで。
けっこういろんな場所で、ランチやおやつを広げて楽しめます。

でもね、
そういうのもいいけど、「ホテルにバルコニーやテラスがあったらいいなぁ」と思うことも。
“ 暮らすように滞在したい ” と願うウチにとってはホテルは滞在中の【自宅】(と思いたい)。
だから、
「ちょっとさ、朝ご飯はバルコニーに出て食べようや。」
とか、
「なぁ、今日のランチはテラスへ出て食べへんか?」
とか、
そういうのっていいな、と。
滞在先のホテルにそういう場所があるといいんだけどなぁ。

 *ベランダ = 外に張り出した縁のことで、屋根のあるもの。雨でも洗濯物が干せる。
    バルコニー = 室外に張り出した屋根のない手すり付きの台。下の階の屋根の上の部分。
    テラス = 建物の一階から突き出して作ってある床。
     ・・・だそうですが、僕はいまだによく区別できません。。。


街を散歩していると、バルコニーやベランダ付きの古い唐樓(アパート)を見かけます。
洗濯物を干すだけとか、鉢植えの植物を置いておくためだけとかのベランダじゃなくて、
ちゃんと人が出入りできるバルコニー。
「あぁ、今は住人が居なくても、空き家になる前は憩いのスペースだったんだなぁ。」
と、かつて住んでいた人たちが ささやかながらも暮らしを楽しんでいた面影を感じます。
よく見ると、今もちゃんと残ってる装飾部分が素敵だったりするんですよ。
バルコニーへ出る扉や窓枠の模様が素敵だったり、手すりに味わいがあったり。



e0248743_16595465.jpg


e0248743_1701469.jpg


e0248743_1703377.jpg


e0248743_226578.jpg


e0248743_171014.jpg




記事トップの1枚は、よく見ると室内の蛍光灯の明かりがあるから、まだ現役ですね。
上 ( ↑ ) の4枚は、もう空き家になっている部分が多いし、朽ち果てているものもある。
だけど、
「枠とか装飾部分とか壁とか 良いねぇ。当時きっとお洒落だった物は、今も良いよね。」
って感じる部分があるような。

4枚目の写真の建物、
こうして歩道の上までせり出している建物部分から柱が立っているものは、
唐樓というよりも “ 騎樓 ” と言いますが、
まだ階下に店が入ってたり、その上の階に蛍光灯の明かりやエアコン室外機があるので、
素敵なバルコニー部分は今でも使われているのかも。

いいですよねぇ、こんなバルコニーで の~んびりお茶したいなぁ。
「いやいや・・・香港の空気ってキレイじゃないし・・・蒸し暑いだろうし・・・。」
っていう声も聞こえてきそうだけど、やっぱりこの空間に入って過ごしてみたくなります。

今でも現役バリバリの騎樓もあります。 ( ↓ )
こちらの住人は、鉢植えも置いて楽しんでらっしゃるんですね。
洗濯物を干す場所として利用しているわけではない雰囲気だから、
この場所での過ごし方を想像すると、ちょっとうらやましくなります。

その下に続く写真だと、
街なかのアパートなんだけど、斜めに一戸ずつを区切って小さなバルコニーにしていて。
とても狭そうな三角スペースだから、こうやって洗濯物を干すことが優先なのかな?
香港で外に洗濯物を干すと言っても、
澄んでるとは言い難い外気に触れ続けることや湿気を考えれば、
洗衣店(クリーニング屋)を使ったり 室内乾燥機を使ったりするほうがいいのかも。
だけど、日常的にはこうして物干しスペースになってることが多いように感じます。



e0248743_17365186.jpg


e0248743_17371897.jpg




新界や離島へ行けば、むしろベランダやバルコニーがある住居の方が多いような印象。
都市部よりも贅沢な造りと言えるんじゃないかなぁ。
ちゃんと人の出入りがあって 日常的に使われている部分だから、
街なかで見かける空き家のバルコニーと違って “ 人の暮らし ” が伝わってきますよね。



e0248743_17373672.jpg


e0248743_17375551.jpg


e0248743_17382369.jpg




2012年5月と2013年7月に、バルコニーがあるホテルに滞在したことがあります。
いずれも上環のホテル・・・あくまでも数値の比較という意味で敢えて記すなら、
当時のレートで1室7~8千円台で滞在できた時代。
「時代」って・・・(笑)。
いや、ほんと 3~4年前のことでしかないのに、遥か昔に思えてしまう優しい価格でした。
Central Park Hotel (今のButterfly on Hollywood ) と Hotel LBP 。
食事が出来るスペースからドアを開けてバルコニーへ出られたのです。

エアコンが強過ぎるほど効いてる食堂からバルコニーへ出ると、
もわぁ~ っとした香港の外気が身体を包んでくれる。
そんな場所で朝の空気を吸い込んで、外テーブルに持ち出した飲み物や朝食を楽しむ。
食堂の物じゃなくて、外で外賣して来た盅飯やパンや点心・粢飯などを食べてもOK。
朝食の仕上げにコーヒーを飲みながら、今日の予定を相談したりして寛ぎました。

小さくてささやかな広さでいいから、
滞在先のホテルに 空を仰げるスペースがあるのって、いいものです。
香港特有の外の空気と
始まりつつある街の朝の音(鳥の声とかクルマやトラムの音とか)を思う存分味わって、
クールダウンしたくなったら、また食堂を経由して自室に戻る。

自分の部屋にバルコニーがあるわけじゃないから自宅ほど使い勝手は良くないけれど、
朝そこに出て過ごすだけで とてもリラックスすることができました。
「バスタブ付きの部屋とバルコニー付きの部屋だったら、どっちを選ぶ?」
と言われたら、
う~ん、どうだろう?
バスタブは身体を解きほぐしてくれそうだし、バルコニーはココロにビタミンをくれそうだし。
・・・究極の選択だけど・・・バルコニーの方を選ぶかも(笑)。




e0248743_18173262.jpg


e0248743_1818041.jpg


e0248743_18183969.jpg


e0248743_1819032.jpg


e0248743_1819238.jpg




数年前からでしょうか?アパートメントホテルが増えてきて、
なかには プライベートな小さいバルコニーが設えられたタイプの部屋もあるみたいですね。
そんな部屋で過ごせたら、どんな気持ちになるかなぁ?

他のお客と共有するバルコニーであっても、ある程度の広さがあるのなら大歓迎。
i-Club Sheung Wan だと、何階だったかに広~いテラスがあるのでしたっけ?
「どれどれ・・・おおお、いいねぇ・・・で、どれほどで泊まれるの?」
と検索しても、ウチとしては とてもじゃないけど連泊できない価格。。。

「香港のホテル代の高騰、どうしてこうなるの?!(怒)」
「香港観光協会さん!日本人優遇価格作って!!(怒)」
いつ何度も繰り返し検索しても、
「ほ~ら来て来て~!バルコニーでのんびり過ごしに来て~!!」
とは言ってくれない現実。



e0248743_18541726.jpg


e0248743_18543961.jpg




しばらくのあいだは(いや、ずっとか?)公園へ持って行って楽しく食べよう。
そういう時、それは日本に居る時と同じで、
ささやかな朝食や飲み物だけで 十分過ぎるほど香港を感じられるひとときだから。

香港人の皆さんの中にも、
屋外で食事を楽しんだり リラックスする方法を持ってて楽しんでたりする方々が。
日々を少し豊かにしてくれる場所って、大切ですものね。
ルーフトップにビーチチェアが置いてあったり、飲み物がのっかってるテーブルがあったり。
バーベキューが出来るコンロが置いてあって、休日に友人と楽しんでる光景を見たことも。
ホテルの高層階に居ると、地上からは知ることが出来ない様子を眺めることもあるんです。

そんなルーフトップの様子については、また別の機会に記しておこうかなと思います。

カエルくんをクリックして頂けると励みになります。023.gif

にほんブログ村
[PR]
by hongkonggaffe | 2016-04-03 22:17 | 香港ふうけい | Comments(14)

時を越えて 海を越えて 元朗で口ずさむ京都慕情

ここ1週間ほどで、立て続けにお気に入りのTV番組が続きました。

ひとつは、香港もの。
17日(木)には 【 世界入りにくい居酒屋 】 、19日(土)には 【 Good Sun House 】 。
番組でよく紹介される香港ものって どれも似通った内容が多いけど、
今回の2つはそれぞれ少しずつ王道を外れていた部分があったので、面白かったような。
ビギナーさんにも、そうでない方々にも、両方を楽しませる番組作りって難しいでしょうに。



e0248743_1735575.jpg




立て続けに放映された もうひとつのお気に入りは、京都もの です。
【 京都人の密かな愉しみ 】 が、BS2で2時間の拡大版になって放映されました。
13日(日)に1度、そして連続するかのように19日(土)に別内容でもう1度。
再放送を含めても ふだん登場することが少ない番組なので、それだけに貴重品。
放送予定が告知されると、ウチは今か今かと指折り数えて楽しみに待つ番組です。

襞の中に触れてくるような 機微を心地良く感じる、ドキュメンタリーを挟んでのドラマ。
微妙な趣きや物事を巧みに散りばめた、声高な部分が何一つ無い 抑えた作りの番組で。
その内容もさることながら、
観終えた気持ちをさらに満たしてくれるのが、毎回 エンディングで流れる歌なのです。

曲は、 “ 京都慕情 ” 。
これを聴きたいがために 番組全編を欠かさず観る・・・と言ってもいいくらい(笑)。

昔、渚ゆう子が歌った昭和のヒット曲ですね。
それが番組のためにカバーされ、エンディングで歌っているのは 武田カオリという女性。
透明感のある つぶやくような歌声が、絶妙な編曲の伴奏を身にまとって 漂います。
渚ゆう子が歌った京都慕情とは 真逆のような儚さ。



e0248743_17355943.jpg


e0248743_17362171.jpg




渚ゆう子が歌ってヒットした京都慕情に初めて出会ったのは、少年の頃でした。
“ 玉置宏のロッテ歌のアルバム ” で 観た&聴いた・・・が最初。
母方の山の実家で遊び呆けてる夏休みだったはず。
皆で食べる日曜日の昼ごはん時に、食卓から離れた隅に置いてあるTVで流れて。
食い意地の張ってる僕が、おかずを持ち上げる箸を止めるほどのインパクトだったのです。

それ以来、この曲に ものすご~く惹かれ続けることになりました。
夏休みが終わった後に 自宅で日曜の昼時にTVをつけてても、
当時のヒット曲だったから、渚ゆう子も何度か出演して京都慕情を歌う場面があったので、
これが流れ始めると 箸を放り出してTVにかじりついてて、叱られてたような。



e0248743_17365995.jpg


e0248743_17372096.jpg




日本の典型的な昭和歌謡で、渚ゆう子の歌い方もあって、やや演歌寄りの雰囲気でした。
今楽しみにして毎回聴くのを心待ちにしている “ 武田カオリの京都慕情 ” とは違ってて、
原曲(というか当時の歌い方と伴奏)は、もっと情感たっぷりなものでしたが。。。

メロディーは書き表せられないけど、歌詞は およそこんな内容。

   ♫ あの人の姿なつかしい  たそがれの河原町
     恋は 恋は 弱い女を  どうして泣かせるの
     苦しめないで ああ 責めないで  別れのつらさ知りながら
     あの人の言葉想い出す  夕焼けの高瀬川 ♫

少年時代の小学生男子、この曲に ぞっこんでしたから、
いろんな場面で いつも口ずさんでいたのをハッキリと覚えてます。

土曜の午後に小学校のグランドに集まって草野球をし、駄菓子を食べつつ家に帰る道で。
木曜の夕方に書道教室を終え、墨で黒くなった指先で自転車に乗ってペダルをこぎつつ。
いつもこの場面では京都慕情を口ずさんでたから、
【京都人の密かな愉しみ】を観終える時、そのころの景色や想いが ぶわぁ~っと蘇ります。








まぁ、なんと言うか、
いがぐり頭の小学生がね、ランニングシャツで半ズボンはいて野球グローブ片手に
   ♫ 恋はぁ~恋はぁ~弱い女をぉぉぉ~  ど~して泣かせるのぉぉぉ~ ♫
だの
墨で黒くなった指でハンドルを持って自転車キコキコこぎながら、
   ♫ 苦し~めないでぇ~ あぁ責めないでぇ~ 別れぇ~のつらさ知りながらぁ~ ♫
だのって歌いながら家路につく。
2番に至っては、
   ♫  遠い~日はぁ~二度と~帰らないぃぃぃ~ ♫
のはずだけど、
まだ小学生の男子が 遠い日を懐かしむわけもなく。。。
どんな子供だったのか・・・と思うと、あの頃の自分に会ってみたいような気もします。

こうやって刷り込まれた体験は けっして消えない物ですから、
高校生の時にツェッペリンやD・パープルにハマりながら、渚ゆう子のレコードも買ってる。
さらには、LPを持っててもステレオを買えない学生時代が過ぎ、
一人暮らしを終えて帰郷した後、時代はCDだったので買い直してクルマで流してました。
RCサクセションやS・ワンダーに混じってかけながら仕事先へ通勤してて。
今に至るまで 音の引き出しの中には、ずっと何年もしまってある1曲なんでしょうね。



e0248743_17375470.jpg


e0248743_17381827.jpg




元朗の中心部から少し東寄りの場所、軽便鐡路の元朗站すぐ近くに、小さな村があります。
村の北の端には 300年を経てきた二帝廟、南玄関には 500年もの歴史を持つ大王廟。
2つの古廟に守られるようにして残る村でも ちゃんと人の暮らしが営まれているのですが、
香港の他の文物径や客家の村とは違って、住人以外はあまり見かけない一角です。
他の史跡だと 香港人ばかりでなく観光客の行き来もあるけれど、
元朗舊墟と呼ばれるこのエリアでは、すれ違う人は滅多にいなくて。

朽ちたような住居や店舗の屋根から枯れた草が顔を出していたり、
両側を民家に挟まれた路地を静かに歩くと 住人が暮らす気配がかすかに漏れてきたり。
こういうところにいると、空の広さや静けさだけではなく、
ずっと年月を経てきた空気の溜まり場に迷い込んだような気持ちになります。

初めて歩いた時も2度目だった時も、音の無いこの場所で浮かんできたのは 京都慕情。
なぜこれが浮かんで鼻歌にしつつ歩いたのか・・・そんなことは分からないけれど、
幼少体験と似通った何かを感じてのことかもしれません。

音楽が蘇ると、初めて聴いた頃や何度も聴いてた頃の情景が ふわっと出てきますよね。
生きてる時代も今居る国さえも違うのに、なんだか郷愁を感じるようなことが あるような。
小学生の頃に馴染んだ曲が 香港旅行で歩いた小さな村で蘇り、
小さな村で蘇った体験が こうして日本に居て写真を見てる自分に また蘇る。
きっと人それぞれが持つ “ あるある体験 ” だと思いますが、
突然引き出しから出されてきて不意に創られる体験って、おもしろいもんだなぁと感じます。



e0248743_17385899.jpg


e0248743_17391841.jpg




そう言えば、この京都慕情、
「おもしろいもんだなぁ」と感じるのは 体験だけじゃなくて、
これが、ベンチャーズが作った曲だということなんです。
そう、日本人ではない、あのエレキギターをテケテケテケテケって鳴らすベンチャーズ。
初めてそれを知った時、「えぇぇーっ!?」と驚いて、よけいにこの1曲が印象付きました。
どうして欧米人に この和のメロディーと歌詞 (?↓ ) が作れるの?
本当に、不思議。

( 手元のレコードとCDとNHKの表記では【 訳詞:林春夫 】と記載、Wikiで見てみたら【 作詞:林春夫 】と記載。
 ・・・ベンチャーズはインストゥルメンタルのバンドだから、やっぱり作詞は林春夫のような気が・・・。)


和のメロディーが異国人によって作られ、海を越え国を越え、日本で受け入れられた事実。
この不思議な事実に比べれば、
元朗の小さな村で口ずさむことなんて、なんでもないことなんだろうなぁ って思います。

カエルくんをクリックして頂けると、励みになります。060.gif

にほんブログ村
[PR]
by hongkonggaffe | 2016-03-20 17:43 | 香港ふうけい | Comments(20)

乗り物で海に近付き 歩いてビーチに立つ

香港へ向かう往路、着陸に備えて機体が少しずつ高度を下げると、まずは船が見えてくる。
ポツポツと見え始めた船に続いて陸地が目に入り、胸の高鳴りがぐっと上がる。
「帰って来たよ。もうすぐそこへ行くよ。」
飛行機から遠かった海に近付いて行く過程って、いつもワクワクする。



e0248743_10164659.jpg




乗り物の中に居る間は、なんだか遠さを感じる海。
だんだん近付いて行って やっと到着し、
目の前いっぱいに広がった時、海のよそよそしさは すっかり消えている。
そういう時って、自分と海の “ 気持ちの距離間 ” が 縮まったように感じる。
この嬉しさは、滞在中に何ヶ所かで味わえる。

たとえば 長洲島で。

中環からフェリー(新渡輪)の普通船(高速船じゃない方)に揺られて40分ほど。
長洲島に向かう間、海面はすぐそこに横たわってるけれど、
壁に遮られているものだから、近くて遠い。

だけど、島に到着後 そのまま東灣路を歩いてTungWanBeach(東灣海灘)に向かうと、
両側を民家や海の家に挟まれた小道から、いきなり目の前にビーチが広がる。
「 ほぅら、そろそろ見えるぞぉ~、 3! 2! 1! ほほぉ~ぃ!!」
突然飛び込んでくる光景に、いつも「うわぁぁぁ~」って思う。



e0248743_10372523.jpg


e0248743_10375637.jpg


e0248743_10383026.jpg


e0248743_10385278.jpg




たとえば 赤柱で。

香港島の北側に集中している街から、南側の赤柱へ路線バスで向かう。
けっこうなスピードで山越えしていると、遠くに海岸線が見えてくる。
何度もカーブを繰り返しながら、少しずつ海へ近付いて行く。
西側から回り込む薄扶林道でも、中央からアプローチする淺水灣道でも、
山の木々に何度も遮られて じらされながら乗って行くと、海は近くに来てくれる。
やっと終点に到着してバスから降りると、赤柱の小さな町。

土産物屋が軒を並べる赤柱大街に向かって歩き 左へ曲がって細い路地に入る。
両側に並ぶお店が消えるまでまっすぐ歩き、観光客が引き返す突き当たりを更に進むと、
右側の木陰越しに小さなビーチが現れる。
引き返した人々は逆方向の赤柱廣場方面へ行きがちなので、
人影の無い 寄せる波の音だけが聞こえる 隠れ家のような秘密のビーチ。



e0248743_1243732.jpg


e0248743_1245976.jpg


e0248743_1253961.jpg


e0248743_126086.jpg




たとえば 石澳で。

筲箕灣のバスターミナルから 9番の始発バスに乗ると、
東から回り込む石澳道をくねくね走って山越えをし、小さくて静かな町 石澳に到着する。
ひなびたバス停で降りて、こっちにもそっちにも寝そべってる猫達に挨拶しながら歩く。
ゆるやかな坂道を上がりきると いきなり目の前に海が現れる。
視界いっぱいに広がる海は、遠洋まで見通すことが出来る。

突き当たりを左に歩けば、波が岩に激しくぶつかる荒々しい海岸が続く。
反対方向の右へ歩けば、のんびり過ごす人々が居る広いビーチが迎えてくれる。
ゆるく弧を描くような砂浜で、裸足になって歩きたくなる。



e0248743_12151218.jpg


e0248743_12565292.jpg


e0248743_12575424.jpg


e0248743_1258176.jpg


e0248743_1259153.jpg




どのビーチも、
乗り物の中から遠くに見えていたものが、わずかな時間で自分の足元に来てくれる。
街 から 町 へ。
コンクリートの街 から ビーチのある町 へ。
街と海とが隣り合っている香港だから、
エネルギッシュな街の空気から少しだけ離れたくなった時、海はいつでも迎えてくれる。

青空が広がる晴天の日は、自然を求めてやって来る香港の人々で混む。
だから、
曇った日や小雨の日だと、ビーチのある小さな町で 思う存分深呼吸できる。
じつは、晴れ渡った日以上に 海は「ようこそ!」と両手を広げて迎えてくれる。


カエルくんをクリックして頂けると励みになります。004.gif

にほんブログ村
[PR]
by hongkonggaffe | 2016-03-01 13:55 | 香港ふうけい | Comments(14)

旧正月(春節)の香港は どんな様子かなぁ? ~ 人と人の間で灯る ランタンの明かり ~

今年の旧正月(春節)は2月8日(月)。
香港の街角は すっかり赤い世界に染まってて、人々もワクワクそわそわしてるのかな?
旧正月を祝う習慣が無い日本に居て、おめでたい色や飾り付けに彩られた香港を想う。
せめて・・・と、ブログスキンも旧正月用に替えてみたりして(笑)。

ときどき気まぐれで設定を替える ブログスキンや文字の色。
今回は、去年の春節前の滞在で見かけた ショーウィンドーを撮った1枚。
新年の到来を歓ぶ子どもたちの 笑顔いっぱいなポスターでした。

今までも気付いてたかたが いらっしゃるかもしれないけど、
季節や記事に少しだけちなんだ写真をスキンに使ってみたり、
トップのその写真のどこかに使われてる色に合わせて ブログ下地の色も替えてみたり、
それに合う右欄の文字色にしてみたり、 カーソルを置いた時の文字色を替えてみたり。
いろいろ遊んでるんです・・・写真日記のような感じだから、今はせめて旧正月気分で(笑)。



e0248743_16411225.jpg




で、香港。
去年の旧正月は、2月19日でした。
そのちょうど1ヶ月前の1月21日まで滞在してたので、旧正月まっさかりではなく、
すでに赤く染まりつつある街が 旧正月まで ちょうど1ヶ月になり、
どんどん加速しながら変身し始めた時期でした。
そう、まさに1ヶ月前から先が、旧正月に向けて街も人々もラストスパートするのかな。
そんなことを学んだ去年、ギリギリのところで1ヶ月前に入れず、残念だったなぁ。。。
できることなら、もう1週間先まででもいいから 滞在していたかった(笑)。
・・・「春節前の香港を楽しんでみたい」とお考えの方は、ご参考にして下さい。



e0248743_16414955.jpg


e0248743_16423793.jpg




街のあちこちで “ にわか正月用品店 ” が建ち並んでて、
揮春・年桔・糖果盒・干支の飾り・ランタン等々、どれにも使われる赤&金&黄の色たち。
着飾った街は、ふだんの香港とはまた違った魅力に溢れていました。 ( 去年はこちら

その魅力は昼間だけではなく、夜になると夜ならではの美しさが顔を出します。
それはやっぱり、ネオンや明かりの美。
九龍側から眺める香港島の春節模様のイルミネーションは、素敵です。
あの最高の夜景スポット以外にも、街の至る所に華やかな光を放つ飾り付けがされてるし。

いや、表通りの大々的なネオンの飾り付けじゃなくても、
旧正月を祝う素敵な明かりは あちこちで灯ってるんですよ。
住宅街だって、マンション下の敷地や入口にランタンが並び、
街角の公園だって、樹木や街灯をぐるりと囲むようにランタンが並ぶ。
ランタンって小さな物だけど、ポッと灯った時の明かりが あたたかくて素敵でしょう?

皇后大道西に仏具屋さんが3軒ほど並んで商ってる一角があって、
春節や中秋節が近付くと、店先に吊るされたランタンがいっそう賑やかに灯ります。
前記事 ( ) のように、古めかしい唐樓の階下にあるお店なので、
周りの商店がシャッターを閉めた後にも煌々と灯ってる明かりが映えて、素敵な光景。
吊るされたランタンのもとに、明かりに誘われるようにお客が寄って来たりして、
見上げながら選んでたり 買い求めて店から出てきたりする姿も、これまた素敵な光景。



e0248743_164499.jpg


e0248743_16444884.jpg




“ 素敵な光景 ” と言えば、前回こんなことが。
去年1月のことじゃなく、9~10月に滞在した中秋節でのことなんだけど、
トラムに乗ってて ほんわかしたことがあったんです。
旧正月のランタン じゃないけど、中秋節のランタン で。

とある日の夜のこと、
トラムの先頭席に乗ってて、前を走ってる車両を何気なく見てたら 「ん? 」 と。
すぐ前の車両の最後部で、小さな物が揺れてるような?
「 ん? ・・・ なに? 」

前を行く21号トラムの2階の窓に、ポツンと小さな明かりが。
トラムの2階最後尾に明かりなんてないはずだし、それが揺れてるし。
2階窓部分に小さく小さく写ってるオレンジ色の球、見えますか? ( ↓ )



e0248743_175268.jpg




ご存知のように、トラムは前後の車両が近付いたり離れたりしながら ゆるゆる走ります。
で、停車駅まで差し掛かると、その近さはどんどん詰まっていき、最後は手が届くほどに。
おかげで、
「 なに? なんなん? 」 の正体が、だんだん明らかに。
で、それが何か分かってきたとたんに、なんとも言えずニコニコと・・・。



e0248743_16513421.jpg


e0248743_1782523.jpg




見えてきたのは、アヒルちゃん。
「 おぉぉぉぉ~ アヒルちゃ~ん。 」 思わず口走った(笑)。

小さなアヒルのランタン、
これ、持ち手が付いてて、ぷら~んと下げながら歩ける携帯ランタンです。
持つ部分に乾電池が入ってて、小さなスイッチがあります。
(カップヌードル(合味道)のランタンを買ったから仕組みを知ってる:笑) →

最後部席に乗ってるのは、欧米人のご家族。
パパとママと女の子、3人で ご旅行中かな?
いいねぇ、アヒルちゃんのランタン、買ってもらったんやね。
で、トラムに乗って、灯ったままのアヒルちゃんを手すりに結わえてもらって。
幼い女の子が 「パパ、ここに結ぶといいよ。」って言ったわけじゃないよねぇ。
・・・ということは・・・パパさん、Good-job 。

あまりに可愛い光景に出会っちゃったので、
近付いたと同時に 思わずパチパチ拍手しちゃった。
可愛いのはね、アヒルじゃなくて、女の子でもなくて、じつは パパさんなんだけどね(笑)。
でも、まぁ、このほのぼのとした光景全部に 拍手したくなったような。

さすがGood-jobのパパさん、ウホウホ拍手してる僕に気付くわけです。
で、
「ねぇねぇ、ほら、後ろのトラムから男子が拍手しながら手を振ってるよ。」とママさんに。
ママさんもこっちを向いて、ニコニコ笑顔。



e0248743_17185741.jpg


e0248743_1720298.jpg




駅での停車を終えて 発車していく車両、だんだん距離が離れる僕とご家族。
お礼を言いたいよね・・・「サンキュ~ッ!」
けっこう大きな声で叫んでる僕に、パパさんママさんが笑顔で手を振ってくれました。
でもね、
このジョンレノン風のGood-jobパパさん、手を振り返すだけで終わらないんです。
「ハヴ・ア・ナイスデ~。バ~イッ!」と言いながら、アヒルちゃんをクルリン。
お分かりになります? ( ↑ )
持ち手の位置を変えて アヒルの顔が隠れないように結わえ直し、
アヒルの顔が見えるように、こっちへ向け直してくれたんですよ。

車両を挟んであれこれ声を出してる欧米人家族と日本人小学生。
パパさんの向こう側の乗客たちは「なに?」てな顔しながらこっちを見たり家族を見たり。
離れていくアヒルちゃん、、、じゃなくて、パパさんママさん女の子。

ありがとう。 本当に。

こういう時って、次の駅や信号で また距離が縮まると どうなんでしょうねぇ?
今、 「サンキュ~ッ!」 「バ~イッ!」 ってお別れしたところだから、
また近付いたら ちょっと気まずいような?
もう1度「ハ~イッ!」って手を振りにくいような?(笑)
・・・。
・・・。
残念ながら、というか、これでよかった、というか、
ちょうど違う方向へ曲がって行く跑馬地行きのトラムだったので、
ご家族とは そのままお別れでした。

ランタンが灯るお祝いの季節の、
“ トラムの中で揺られるランタンとHappyご家族 ” に 思いがけなく出会えた夜でした。


e0248743_17481390.jpg


e0248743_1749051.jpg




いよいよ旧正月を迎える香港。
ランタンの明かりは、あちらこちらで家族を照らしているのかな。
家族をつなぎ、
友人どうしをつなぎ、
もしかしたら、他人どうしも取り持ってたりするのかもしれませんね。029.gif

カエルくんをクリックして頂けると嬉しいです。043.gif

にほんブログ村
[PR]
by hongkonggaffe | 2016-02-03 18:21 | 香港ふうけい | Comments(18)

店舗や街灯の上に広がる 暗くて大きな壁

【家】って、人が住まなくなると どんどん傷みが進んで朽ちてくる。
無人になったまま月日が経った家屋は、
外の壁や屋根はもちろん、内部の部屋や天井などにも、ほころびが出てきてしまって。

以前、ご近所さんで、
それまで住んでらした家から街の方へ引っ越していったご家族があったのだけど、
無人になって数年間そのまま放置されていた一軒家は、
いつからか、傷みが目に見えて分かるようになり、寂しい小屋のようになっていき。。。

こうした空き家の様々な問題は、最近の日本の報道で取り上げられていますね。
“ 人が住まなくなっただけ ” なのに、家がいきなり年老いていくのは、どうしてなんだろう?



e0248743_1662154.jpg


e0248743_1663874.jpg




香港でも、古くからの唐樓(アパート)は、かなり傷んでいるのが見て取れます。
こうした建物の1階部分には店舗が入っていることが多くて、
肉屋 ・ 薬屋 ・ 雑貨屋 ・ 茶餐廳 などなど、人の出入りがあって活気づいている建物も。
ただ、
店舗が入ってる唐樓たちって、
昼間はさほど感じないのだけど、日が落ちて夜になるにつれ、
住居部分が暗い大きな “ 壁 ” になってそびえ立つかのように見えてきます。
にぎわう店や オレンジ色の街灯 ( こちら ) に照らされた道よりも、
むしろ、その上にある 明かりが少ない住居部分の方が目に付くようになってくるのです。

煌々と光が灯る明るい部分よりも、暗いままでいる住居の方が存在感を出すかのようで、
独特な雰囲気で立ちはだかってて。

ちょっと怪しげな空気が漂っていると言うか、そこだけ時が止まっていると言うか、
人の気配を感じないことの方が、不思議と際立つような気がします。
考えてみれば、店舗部分は1階だけであって、
その上に伸びる住居部分の方が圧倒的に大きいんですものね。
そのぶん、暗い大きな “ 壁 ” の方が目に付くのは当然かもしれません。
ここに載せた写真たち、そういう目で見ると、暗い住居部分の方が気になりませんか?

( * 日本で言う1階は、香港では【地下】と書きます。香港の1階は日本で言う2階。
   この記事では、日本式にグランドフロアーを「1階」と書いています。)



e0248743_16273847.jpg


e0248743_16275724.jpg


e0248743_16281949.jpg




暗い壁のような中にも、ところどころにポツポツと明かりが灯ってる部屋があったり、
昼間だと洗濯物が干してあったり、窓際に鉢植えが置いてあったりして、
人の暮らしが、まだそこに残っている気配は、わずかながら伝わります。
だけど、
住んでいる人が居ても、夜の街が遅くまでにぎわう香港。
夕飯を外食したり、そのまま夜の街に出ていたりする人々が多いからでしょうか、
明かりが消えたままの時間が長いから、
そのぶん、独特な雰囲気を放つ時間は長いような気がします。



e0248743_1892695.jpg




同じ時間帯でも、高層マンション群を見上げると 明かりの数はかなり多いんですよ。
そう、マンションの明かりが まるで夜景のひとつになるほど、多い。
それは、
使い易いキッチンや間取りが備わっているマンションの自宅で過ごす人々が多いからか、
そうでない唐樓だと 部屋の中にいるよりも外へ出た方が閉塞感が少ないからか、
同じ 【人が住む建物】 でも、灯る明かりの数には 違いがあるような気がします。
もちろん、唐樓の方が無人になった部屋が多いという事実もありますしね。

あれほど有名で、買い物客や観光客が絶えない女人街でも、店の上には真っ暗な壁。
深水埗の露店がずらりと並ぶ道でも、
北角でひときわ活気づく春秧街の街市(市場)でも、
店舗や露店の上には真っ暗な壁。
明かりが氾濫する1階部分と その上に続く人の気配が無い部分とのコントラストって、
商店街と唐樓が同居している下町ならではの光景なんじゃないかな。

そして、
そんな明かりの少ない唐樓の向こう側に見える、たくさん明かりが灯る高層マンション群。



e0248743_16405813.jpg


e0248743_16411685.jpg




こんなふうに見上げながら突っ立ってると 通行人の邪魔になるんだけど、
下があまりにまぶしいから、思い出したように その上を眺め上げることが何度も。
上の部分がこれだけ暗いなら、視線を伸ばしたその先に星のひとつも見えていいのにね。
月は浮かんでても、星は目をこらさないと探せない。
・・・それほど街全体は明る過ぎるのに、
明かりの消えた唐樓は、まだまだたくさん建っています。

遅くまで明るいままの1階と、その上に続く暗い壁と、星がなかなか見えない空。
香港なんだよなぁ・・・と感じる 夜の顔 です。

カエルくんをクリックして頂けると励みになります。072.gif014.gif

にほんブログ村
[PR]
by hongkonggaffe | 2016-01-30 18:18 | 香港ふうけい | Comments(14)

街角で聴ける楽器の音色  ~ Traditional Musical Instruments in HK ~

アジアの国々の “ 民族音楽 ・ 民族楽器 ” にとても惹かれていた頃、
旅行と楽器収集を兼ねて 出掛けていた時期がありました。
本物の民族楽器 ( Traditional Musical Instrument ) を手に取りたくて。

諸国の音楽や楽器を聴いたり買い求めたりしたくても、
今のようにPCなどで検索してWebの情報を手に入れるなんて出来なかった時代。
数少ない本から 街や音楽事情を調べ、情報不足のまま出掛けてました。



e0248743_12121931.jpg




J☆Bを通してツアー旅行 ( だけど、だいたいがウチだけ ) で渡航し、
現地添乗員さんに無理を言って観光地巡りを断り、自由行動。
ホテルのスタッフに民族楽器を扱う楽器店を探してもらい、
バスやスタッフの知り合いのクルマに乗せてもらったりしつつ、目指す街へ。

勝手の分からない見知らぬ街・・・無事に楽器店に到着したら、
店の主人や来店客に事情を話して、奏でてもらったり相談したり。
音の出し方を教わって、楽器と その楽器の消耗部品交換に必要なものを購入。
主人や、その子ども、あるいはお客に 同業者を紹介してもらって、また次の店へ。

・・・ここまでも、このあとも、会話はほとんど 身ぶり&手ぶり&絵&筆談・・・。
ホテルスタッフは別にして、現地の人とは英語なんて通じない国がほとんどで。
観光客を相手に商売してるわけじゃないから、英語なんて使わないものね。
・・・いや、英語でやり取り出来そうでも、僕の小学生英語は あてにならないし・・・。



e0248743_124538.jpg




いろんな国の顔にちょっとだけ触れることが出来て、面白すぎました。

高速バスで2時間近く走らないと行けない街への往復切符の買い方が分からなかったり、
路線バスの中にバタバタ飛びそうなニワトリを抱いて乗って来る買い出し客と相席したり、
ピックアップトラックの荷台から振り落とされないようにつかまって山道や峠道を走ったり、
暇だから連れてってやると言う添乗員の原付バイク後部席で死ぬほど怖い思いをしたり、
店かと思ってたら露店や民家だったりして、おやつをご馳走になりながら値段交渉したり。
etc , etc ・・・ 日記帳を持っていってたら1回で1冊書けるような日々(笑)・・・。

まぁ、ほんとに、
“ 言葉が何も通じない不便さ ” なんて どうでもよくなるような
“ 予定コースまったく白紙で 何が起こるか分からない楽器探し ” を繰り返していました。
・・・こういうのって、若いから出来ちゃったんでしょうねぇ・・・(遠い目)・・・今は絶対無理。

持ち帰りにくそうな大きい楽器だと、店主や持ち主がその場で解体してくれる。
部品ごとに預け荷物用と手荷物持ち込み用に分類。
重量オーバーになると金銭的にも ちょっとタイヘン。
でも、空港職員や機内のCAさん達って、どの国でも楽器を手厚く取り扱ってくれたんです。
自国の民族楽器って 国の財産であり文化ですから、
誇りを持っての丁寧な扱いというか、手を差しのべて受けてくれるというか。
預け荷物も機内持ち込み荷物も、
楽器についてはほとんどファーストクラス対応で、持ち主のウチだけはエコノミー対応(笑)。
いつだって、どの国でだって、本当に安心・信頼して日本へ持ち帰ることが出来ました。



e0248743_12555087.jpg


e0248743_1256815.jpg




そんな流れのひとつで香港を訪れた時も、ホテルで教わり楽器店に何度も行きました。
その中の1軒が、粤華楽器行。
昔は佐敦に小さな店を構えてたけど、今は灣仔に移転してて 前よりずっと広い店内。
年月の流れで他店が閉店する中、粤華だけは踏ん張って商い続けられたのでしょう。
繁盛している証拠だと思うのだけど、数年前に店の看板が新しく塗り替えられました。
以前の看板には思い出があるけれど、補修された事実は嬉しかったなぁ。
この先もここで商い続けて行ける という証ですものね。

売り場の1階から階段を上がると、2階は倉庫のような状態で大きめの楽器たちが。
打楽器や笛の類は、見よう見まねで それなりの音を出せるようになります。
でも・・・弦楽器は、どうにもこうにも楽器本来の音が出せないのです。
難しい・・・ “ なんちゃって音色 ” でもいいから奏でたい・・・けど、出せない・・・。



e0248743_1364716.jpg


e0248743_137855.jpg


e0248743_1373344.jpg




そんな憧れの弦楽器の音色を 香港の街角で聴けることがあります。

灣仔や荃灣のMTR駅出入り口で見かけたのは、二胡をずっと弾き続けている人達。
中環のフェリー埠頭から街へつながる空中回廊でも、二胡を弾く男性と会うことが。
やっぱり、 こう、 なんて言うか、
【 不特定多数の通行人にアピールするかのような奏者 】 だから、
駅や埠頭などの人の出入りが多い場所を望んで陣取るのでしょうね。

そうでなくて、あくまでも趣味で楽しんだり、お馴染みさんと楽しんだりする人達も。
元朗で髪を切ってもらう露店床屋のおじちゃんは、お客が居ないとずっと弾いてます。
好きなんでしょうねぇ。 ずーーーーっと弾いてる(笑)。
露店床屋からちょっと離れた広場の木陰に居ても、
おじちゃんの二胡が聞こえてくると、「あぁ、今だったらお客は居ないな。」と分かるし、
もうすでに、近所のおじちゃんも聴きに出てきてたりするし。
( おじちゃんに坊主頭にしてもらってから二胡の演奏をお願いした記事 → こちら 。)



e0248743_1338137.jpg


e0248743_13383112.jpg


e0248743_1339798.jpg




二胡 という、同じ弦楽器だけど
お小遣い稼ぎなのか、明日の暮らしのわずかな糧なのか、必要があって奏でる人達。
いっぽう
純粋に趣味にしてて、ただただ 【 音 ・ 楽 】 のように、一人でor仲間とで奏でる人達。

どっちが良し悪しとか、そんなことは考える必要も 詮索する必要も なくなるほど、
どちらの “ 生の音色 ” も、ココロの琴線に触れることがあります。
民族楽器の “ 生の音色 ” って、優しくて心地良いものが多くて。
ときどきだけど、
アンプやスピーカーなどを通して、けっこうな音量でガンガン鳴らしてる人達もいます。
二胡や琵琶の弦のところにマイクを付けてて。

・・・そういうのって・・・どうなんだろうなぁ・・・
・・・うまく言えないけれど・・・
・・・電気器具を通して「ここで弾いてるぞー!聞いてってくれー!」と声高に鳴らしちゃうと、
せっかくの楽器本来の音が・・・・と、個人的には。。。
やっぱり、素のままの “ 生の音色 ” は人の耳に優しいですもん。
立ち止まりたくなったり、曲のメロディーを想い返しながら歩けたりして。

じつは、アジアの民族楽器には、 “ 生の音色 ” の美しさ だけじゃなく、
“ 形 ・ 模様 ・ 弾き手のさま(姿や動き) ” の美しさもあります。
西洋楽器よりもそれを強く感じる時があると、
「自分が【アジア系 炭水化物星人】だから そう感じるんやろうなぁ。」 と思うことも。

・・・なんて、憧れて 探して やっと手にして 連れ帰ってた民族楽器たち。
なのに、
楽器本来の音色を鳴らせないまま、可愛そうなことをしてきてるなぁ と最近になって反省。
「罪つくりしたままじゃあかん」ということで、生かせる道を拓き始めたところです。

カエルくんをクリックして頂けると嬉しいです。009.gif060.gif

にほんブログ村
[PR]
by hongkonggaffe | 2016-01-26 19:05 | 香港ふうけい | Comments(10)

香港の街灯が 感じさせてくれること

変わり行く物や消え行く物が多い香港の中で、ずっと変わらず消えはしないだろうな・・・
っていうお気に入りの物。
その一つが、僕にとっては【街灯】です。

道を照らし、住宅やビルを照らし、人々を照らす街灯。
香港のオレンジ色の街灯の明かりに包まれると、
「あぁ~里帰りしていられるんだぁ~」とさえ思えて(笑)。
あの明かりの色、好きなんですよ~。



e0248743_205214.jpg


e0248743_2054435.jpg


e0248743_2061886.jpg




歩道や道路の脇に立つ、あの街灯。
香港の街灯の光って まるで意図的に統一されているかのように、どれもオレンジ色。

オレンジ色って、正しくないのかな?
でも、電球色よりは赤みがかった濃い色だし、蛍光色の街灯って見かけないし。
街でも 町でも 村でも 新界の果ての方や離島でも 、同じ色。
お気に入りだから贔屓目に見ているのかもしれないけど、温かみを感じる好みの色。



e0248743_20101941.jpg


e0248743_20104221.jpg




まだ暗い 日の出前の朝活で散歩していると、
大小すべての道路の上で灯った街灯が
アスファルトだけじゃなく、始発バスや朝活中の自分を照らし出してくれます。

ホテルの窓から下を眺めると分かりやすいのだけど、
夜明けや夜更けの道路に光の帯を作るのは、クルマのヘッドライトじゃないんですよね。
写真にあるように ( ↑ ) 、ヘッドライトはクルマのすぐ前だけを白く明るく照らしてるし、
動いていないクルマだけが駐車してある脇道だって、オレンジ色の光の帯。
よく見ると、街灯の間隔を表すように 一定間隔でオレンジ色の明るさが濃いでしょう?
上から見た時に街をブロックごとに区分けしてる光の帯は、まさに街灯の芸なのです。



たとえば、科記のある太平山街で。
e0248743_20191832.jpg


e0248743_20194418.jpg




たとえば、科記から坂を下りた荷李活道沿いで。
e0248743_20214115.jpg


e0248743_2022085.jpg




その日の夕方から 翌日の早朝まで 働きっぱなしの街灯は、
明るさを提供するだけじゃなく、なんでもない昼間の光景にアクセントをつけてくれます。
街灯が灯っている時間帯と 街灯が消えている時間帯とでは、
同じ場所でも表情が変わります。

太平山街を科記に向かって歩きながら近付く時、行く手に見える階段上の表情。
その階段手前から荷李活道に向けて歩いた時、右手に眺め上げるアパートの表情。
同じ場所を違う時間帯に眺めると、違う表情が醸し出す雰囲気がそれぞれあって。
「どちらが良い」ではなくて、どちらも魅力的な顔を見せてくれるんですよ。
オレンジ色を添えて街角の表情を変身させちゃう 街灯のマジック。



e0248743_20305853.jpg


e0248743_20311973.jpg


e0248743_20585377.jpg


e0248743_20591141.jpg




街なかだけでなく、自動車専用道路や高速道路でも この明かり。
日本だと白系の水銀灯が多いけど、香港ではオレンジ系のナトリウム灯。
夕暮れから夜に入る時間帯になると点灯して存在感を出し、
静かな廟や公園でも、ネオン散らばる賑やかな繁華街でも、温かな色で味を添える。

思うんだけど・・・、
香港のこの街灯の色って、
たとえ色の洪水の中で灯ってても、ささやかだけど目を引くような気がします。
気にすると けっこう目立ってません?・・・ひとつひとつは小さな明かりなのに。

九龍側から香港島側へフェリーで渡って来て 街へ通じる陸橋を歩いてる時、
眺められる無数のネオンがどれほど色とりどりで輝いてても、
シンフォニー・オブ・ライツでビルごと色が変化したりレーザー光線が飛び交ったりしてても、
静かに灯ってる街灯の明かりは、光の洪水の中で埋もれはしない。



e0248743_2103075.jpg


e0248743_2104965.jpg




自分が好んでいるから目に付くのかもしれないけれど、
冷静に考えてみると、
この街灯の色って、派手なネオンの中で使われていない色なんですよね。
あんなに種類の多い近未来的なネオンがあちこちにあるのに、この色と似た色が無い?

そして、もうひとつ。
「どうして つい街灯に目が向くのか?」と考えると、
あのオレンジ色の街灯があることで 【 安心感 】 を感じられるから自然に目が向くような?
街灯があると、人がそこに居ない時でも 【 人 】 を感じられるというか。

街灯の明かりがある → そこは人が使う場所だという証 ですものね。
そこに暮らしている人々に必要とされるから灯っている明かり。
そのへんが、 “ 香港へ来た客人達への顔見せをする着飾ったネオン ” とは違ってて。
香港島の夜景って「うわ~っ!やっぱりすっげ~っ!」とアドレナリンが出まくるけれど、
普段着で灯り続けてる街灯には、ホッとしたり 人の息づかいを感じたり。

いつもいつも豪華なご馳走ばっかりじゃ、お腹がもたれちゃうでしょう?
やっぱりねぇ、日常食に戻るし 暮らすうえでは欠かせないんですよねぇ。
( 日常食に偏り過ぎてる小学生男子がこう書くのも ナンだけど・・・。 )



e0248743_211395.jpg




夏と冬で日の出日の入りの時刻が違うから多少変わるけど、
19時頃に点灯して翌朝の7時に消えるとしたら、1日24時間の半分は灯っている街灯。
味わわせてくれる幅は、長くて広いんだなぁ・・・と感じます。
それだけぶん、街灯の芸やマジックに出会うチャンスがあるということ。
点滅もせず 色も変えず ただただそこに居てくれる街灯に、感謝です。

2015年最後の記事が、 “ 香港の花木 ” 。
2016年最初の記事が、 “ 香港の街灯 ” 。
グルメ情報でもなく、グッズ情報でもなく、イベント情報でもない、 “ 花木と街灯 ” 。。。(笑)
ローカル内容のまま年を終えて ローカル内容のまま新年を始めるこのブログは、
誰のお役にも立たないと思うと、いらして下さった方に申し訳ない。。。
でも、それだけに、再び遊びに来て下さる方に励みを頂いているんですよ。
今年もこんな調子ですが、少しずつ香港を書いていけたらな と思っています。
よろしければカエルくんをクリックして頂けると嬉しいです。023.gif

にほんブログ村
[PR]
by hongkonggaffe | 2016-01-07 21:16 | 香港ふうけい | Comments(18)


「暮らすように滞在していたい」 と思いながら里帰りする香港の日々。


by こえだ

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

最新の記事

ここまでに。
at 2016-04-19 16:50
香港で創ろう  ~ Made..
at 2016-04-19 04:28
敬う場所に飾り付けられた 美..
at 2016-04-15 22:50
渦巻き線香と廟の中の男性 の..
at 2016-04-10 22:15
信仰の場所に寄り添う樹木たち..
at 2016-04-06 22:37
「今日の食事はちょっと屋外で..
at 2016-04-03 22:17
里帰りから戻る時は 新聞に遊..
at 2016-03-29 22:21
亀ゼリーの食べ方ひとつを い..
at 2016-03-25 23:09
時を越えて 海を越えて 元朗..
at 2016-03-20 17:43
トラムは走る広告塔 ときどき..
at 2016-03-16 18:35
「サジュネン!!」 ぶんの 誇り
at 2016-03-10 21:11
乗り物で海に近付き 歩いてビ..
at 2016-03-01 13:55
“ ならでは ” のものがき..
at 2016-02-24 21:50
「 洗濯物はクリーニング店に..
at 2016-02-20 22:19
緊急時に駆けつけるお仕事 そ..
at 2016-02-16 03:05
緊急時に駆けつけるお仕事 そ..
at 2016-02-12 07:24
里帰りのカバン
at 2016-02-08 06:15
旧正月(春節)の香港は どん..
at 2016-02-03 18:21
店舗や街灯の上に広がる 暗く..
at 2016-01-30 18:18
街角で聴ける楽器の音色  ~..
at 2016-01-26 19:05

エキブロ以外のお仲間さんブログ

こえだガッフェ
香港ビエン子☆鼻煙壺
chintauはなぜか香港に魅かれます
太太の香港☆宝箱
kobe_buuのブログ
叉焼飯飯店
こぶたの休息
たまさんの旅行記
keipandaさんの旅行記
taroトラベルさんの旅行記
風のように唄い 水面に漂うように遊ぶ
i-Styleの花仕事日記
La table de Starferry
家常便飯日記
Beautiful Life
ちゅうから大好き♪
1007系でGo!
香港之旅
4週間の公屋生活
Beautiful Life 2
☆毎日がスタートライン☆
A Trip to World
食いしん坊猫~私の大切な香港のお気に入りたち~
Always Love Hong Kong
我好鍾意香港2
Shangri-la's Note
親愛的朋友Part2
ゆらゆらと・・
香港ライフファイル
香港から親愛的朋友!!
香港のおいしい食卓

香港
♫・・・トリップアドバイザーさんのお薦めブロガーにご紹介頂きました。 ♫・・・フォートラベルさんのホームページ右欄で、「香港のおすすめブログ」としてリンク掲載していただきました。 ★★★フォートラベル
香港旅行・ホテルのクチコミ
香港 旅行

フォロー中のブログ

台湾永住日誌&育児
いつの間にか20年
ONE DAY
別冊・Hachiの香港ニ...
Cafe Bleu @ ...
|_・)チラッと覗き見 香港
おいしいおみやげ
クラルスの横浜・元町中華...
香港*芝麻緑豆
ちびこずだいありぃ
香港日々探検日記
HONGKONGLOG-...
ブラボーのひとりごと
鴛鴦茶餐廳 いんよんち...
菜譜子的香港家常 ~何も...
lei's nihong...
アジアな休日♪
koedagaffe分店...
コグマの気持ち
冬菇亭
マリコ・ポーロの東方見聞録
香港貧乏旅日記 時々レス...
デジカメ日誌
黄昏のHKから
香港人夫と香港ビビりロー...
カシタニだより in香港
終生学習日記  Beau...
HONGKONGLOG

最新のコメント

♫ きらさん そうだっ..
by hongkonggaffe at 09:38
(∋_∈)ほほほ 靴が..
by きら at 18:56
♫ きらさん “ 足元..
by hongkonggaffe at 11:42
ドロドロドロドロ〜(ドラ..
by きら at 23:20
♫ きらさん お疲れ様..
by hongkonggaffe at 20:53
今日は朝から電車に振り回..
by きら at 23:27
♫ きらさん 檸檬咖啡..
by hongkonggaffe at 18:12
おはようございます。瞬間..
by きら at 08:04
♫ きらさん 飛んで来..
by hongkonggaffe at 18:04
ありゃ、分かりにくい所で..
by きら at 08:58
♫ きらさん さすがで..
by hongkonggaffe at 23:01
滾水蛋(クァンスィガイ..
by きら at 11:44
♫ 10月31日15;1..
by hongkonggaffe at 22:51
♫ 9月17日3:24の..
by hongkonggaffe at 17:32
♫ 7月22日17:44..
by hongkonggaffe at 10:17
♫ 7月10日9:07の..
by hongkonggaffe at 20:33
♫ 7月9日20:05の..
by hongkonggaffe at 18:34
♫ 6月19日18:39..
by hongkonggaffe at 07:02
♫ 29日22:14の鍵..
by hongkonggaffe at 23:26
♫ 6月29日20:11..
by hongkonggaffe at 21:48

記事ランキング

タグ

(227)
(163)
(128)
(96)
(88)
(73)
(71)
(70)
(65)
(57)
(51)
(51)
(51)
(47)
(45)
(37)
(23)
(22)
(22)
(20)

カテゴリ

ごあいさつ
自宅で香港
香港のりもの
香港ふうけい
香港たべもの
香港のみもの
香港ご商売
香港ざっか
香港くうこう
香港シリーズ

以前の記事

2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月

画像一覧

検索

ファン

ブログジャンル

海外生活
旅行・お出かけ