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店舗や街灯の上に広がる 暗くて大きな壁

【家】って、人が住まなくなると どんどん傷みが進んで朽ちてくる。
無人になったまま月日が経った家屋は、
外の壁や屋根はもちろん、内部の部屋や天井などにも、ほころびが出てきてしまって。

以前、ご近所さんで、
それまで住んでらした家から街の方へ引っ越していったご家族があったのだけど、
無人になって数年間そのまま放置されていた一軒家は、
いつからか、傷みが目に見えて分かるようになり、寂しい小屋のようになっていき。。。

こうした空き家の様々な問題は、最近の日本の報道で取り上げられていますね。
“ 人が住まなくなっただけ ” なのに、家がいきなり年老いていくのは、どうしてなんだろう?



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香港でも、古くからの唐樓(アパート)は、かなり傷んでいるのが見て取れます。
こうした建物の1階部分には店舗が入っていることが多くて、
肉屋 ・ 薬屋 ・ 雑貨屋 ・ 茶餐廳 などなど、人の出入りがあって活気づいている建物も。
ただ、
店舗が入ってる唐樓たちって、
昼間はさほど感じないのだけど、日が落ちて夜になるにつれ、
住居部分が暗い大きな “ 壁 ” になってそびえ立つかのように見えてきます。
にぎわう店や オレンジ色の街灯 ( こちら ) に照らされた道よりも、
むしろ、その上にある 明かりが少ない住居部分の方が目に付くようになってくるのです。

煌々と光が灯る明るい部分よりも、暗いままでいる住居の方が存在感を出すかのようで、
独特な雰囲気で立ちはだかってて。

ちょっと怪しげな空気が漂っていると言うか、そこだけ時が止まっていると言うか、
人の気配を感じないことの方が、不思議と際立つような気がします。
考えてみれば、店舗部分は1階だけであって、
その上に伸びる住居部分の方が圧倒的に大きいんですものね。
そのぶん、暗い大きな “ 壁 ” の方が目に付くのは当然かもしれません。
ここに載せた写真たち、そういう目で見ると、暗い住居部分の方が気になりませんか?

( * 日本で言う1階は、香港では【地下】と書きます。香港の1階は日本で言う2階。
   この記事では、日本式にグランドフロアーを「1階」と書いています。)



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暗い壁のような中にも、ところどころにポツポツと明かりが灯ってる部屋があったり、
昼間だと洗濯物が干してあったり、窓際に鉢植えが置いてあったりして、
人の暮らしが、まだそこに残っている気配は、わずかながら伝わります。
だけど、
住んでいる人が居ても、夜の街が遅くまでにぎわう香港。
夕飯を外食したり、そのまま夜の街に出ていたりする人々が多いからでしょうか、
明かりが消えたままの時間が長いから、
そのぶん、独特な雰囲気を放つ時間は長いような気がします。



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同じ時間帯でも、高層マンション群を見上げると 明かりの数はかなり多いんですよ。
そう、マンションの明かりが まるで夜景のひとつになるほど、多い。
それは、
使い易いキッチンや間取りが備わっているマンションの自宅で過ごす人々が多いからか、
そうでない唐樓だと 部屋の中にいるよりも外へ出た方が閉塞感が少ないからか、
同じ 【人が住む建物】 でも、灯る明かりの数には 違いがあるような気がします。
もちろん、唐樓の方が無人になった部屋が多いという事実もありますしね。

あれほど有名で、買い物客や観光客が絶えない女人街でも、店の上には真っ暗な壁。
深水埗の露店がずらりと並ぶ道でも、
北角でひときわ活気づく春秧街の街市(市場)でも、
店舗や露店の上には真っ暗な壁。
明かりが氾濫する1階部分と その上に続く人の気配が無い部分とのコントラストって、
商店街と唐樓が同居している下町ならではの光景なんじゃないかな。

そして、
そんな明かりの少ない唐樓の向こう側に見える、たくさん明かりが灯る高層マンション群。



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こんなふうに見上げながら突っ立ってると 通行人の邪魔になるんだけど、
下があまりにまぶしいから、思い出したように その上を眺め上げることが何度も。
上の部分がこれだけ暗いなら、視線を伸ばしたその先に星のひとつも見えていいのにね。
月は浮かんでても、星は目をこらさないと探せない。
・・・それほど街全体は明る過ぎるのに、
明かりの消えた唐樓は、まだまだたくさん建っています。

遅くまで明るいままの1階と、その上に続く暗い壁と、星がなかなか見えない空。
香港なんだよなぁ・・・と感じる 夜の顔 です。

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by hongkonggaffe | 2016-01-30 18:18 | 香港ふうけい | Comments(14)

街角で聴ける楽器の音色  ~ Traditional Musical Instruments in HK ~

アジアの国々の “ 民族音楽 ・ 民族楽器 ” にとても惹かれていた頃、
旅行と楽器収集を兼ねて 出掛けていた時期がありました。
本物の民族楽器 ( Traditional Musical Instrument ) を手に取りたくて。

諸国の音楽や楽器を聴いたり買い求めたりしたくても、
今のようにPCなどで検索してWebの情報を手に入れるなんて出来なかった時代。
数少ない本から 街や音楽事情を調べ、情報不足のまま出掛けてました。



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J☆Bを通してツアー旅行 ( だけど、だいたいがウチだけ ) で渡航し、
現地添乗員さんに無理を言って観光地巡りを断り、自由行動。
ホテルのスタッフに民族楽器を扱う楽器店を探してもらい、
バスやスタッフの知り合いのクルマに乗せてもらったりしつつ、目指す街へ。

勝手の分からない見知らぬ街・・・無事に楽器店に到着したら、
店の主人や来店客に事情を話して、奏でてもらったり相談したり。
音の出し方を教わって、楽器と その楽器の消耗部品交換に必要なものを購入。
主人や、その子ども、あるいはお客に 同業者を紹介してもらって、また次の店へ。

・・・ここまでも、このあとも、会話はほとんど 身ぶり&手ぶり&絵&筆談・・・。
ホテルスタッフは別にして、現地の人とは英語なんて通じない国がほとんどで。
観光客を相手に商売してるわけじゃないから、英語なんて使わないものね。
・・・いや、英語でやり取り出来そうでも、僕の小学生英語は あてにならないし・・・。



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いろんな国の顔にちょっとだけ触れることが出来て、面白すぎました。

高速バスで2時間近く走らないと行けない街への往復切符の買い方が分からなかったり、
路線バスの中にバタバタ飛びそうなニワトリを抱いて乗って来る買い出し客と相席したり、
ピックアップトラックの荷台から振り落とされないようにつかまって山道や峠道を走ったり、
暇だから連れてってやると言う添乗員の原付バイク後部席で死ぬほど怖い思いをしたり、
店かと思ってたら露店や民家だったりして、おやつをご馳走になりながら値段交渉したり。
etc , etc ・・・ 日記帳を持っていってたら1回で1冊書けるような日々(笑)・・・。

まぁ、ほんとに、
“ 言葉が何も通じない不便さ ” なんて どうでもよくなるような
“ 予定コースまったく白紙で 何が起こるか分からない楽器探し ” を繰り返していました。
・・・こういうのって、若いから出来ちゃったんでしょうねぇ・・・(遠い目)・・・今は絶対無理。

持ち帰りにくそうな大きい楽器だと、店主や持ち主がその場で解体してくれる。
部品ごとに預け荷物用と手荷物持ち込み用に分類。
重量オーバーになると金銭的にも ちょっとタイヘン。
でも、空港職員や機内のCAさん達って、どの国でも楽器を手厚く取り扱ってくれたんです。
自国の民族楽器って 国の財産であり文化ですから、
誇りを持っての丁寧な扱いというか、手を差しのべて受けてくれるというか。
預け荷物も機内持ち込み荷物も、
楽器についてはほとんどファーストクラス対応で、持ち主のウチだけはエコノミー対応(笑)。
いつだって、どの国でだって、本当に安心・信頼して日本へ持ち帰ることが出来ました。



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そんな流れのひとつで香港を訪れた時も、ホテルで教わり楽器店に何度も行きました。
その中の1軒が、粤華楽器行。
昔は佐敦に小さな店を構えてたけど、今は灣仔に移転してて 前よりずっと広い店内。
年月の流れで他店が閉店する中、粤華だけは踏ん張って商い続けられたのでしょう。
繁盛している証拠だと思うのだけど、数年前に店の看板が新しく塗り替えられました。
以前の看板には思い出があるけれど、補修された事実は嬉しかったなぁ。
この先もここで商い続けて行ける という証ですものね。

売り場の1階から階段を上がると、2階は倉庫のような状態で大きめの楽器たちが。
打楽器や笛の類は、見よう見まねで それなりの音を出せるようになります。
でも・・・弦楽器は、どうにもこうにも楽器本来の音が出せないのです。
難しい・・・ “ なんちゃって音色 ” でもいいから奏でたい・・・けど、出せない・・・。



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そんな憧れの弦楽器の音色を 香港の街角で聴けることがあります。

灣仔や荃灣のMTR駅出入り口で見かけたのは、二胡をずっと弾き続けている人達。
中環のフェリー埠頭から街へつながる空中回廊でも、二胡を弾く男性と会うことが。
やっぱり、 こう、 なんて言うか、
【 不特定多数の通行人にアピールするかのような奏者 】 だから、
駅や埠頭などの人の出入りが多い場所を望んで陣取るのでしょうね。

そうでなくて、あくまでも趣味で楽しんだり、お馴染みさんと楽しんだりする人達も。
元朗で髪を切ってもらう露店床屋のおじちゃんは、お客が居ないとずっと弾いてます。
好きなんでしょうねぇ。 ずーーーーっと弾いてる(笑)。
露店床屋からちょっと離れた広場の木陰に居ても、
おじちゃんの二胡が聞こえてくると、「あぁ、今だったらお客は居ないな。」と分かるし、
もうすでに、近所のおじちゃんも聴きに出てきてたりするし。
( おじちゃんに坊主頭にしてもらってから二胡の演奏をお願いした記事 → こちら 。)



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二胡 という、同じ弦楽器だけど
お小遣い稼ぎなのか、明日の暮らしのわずかな糧なのか、必要があって奏でる人達。
いっぽう
純粋に趣味にしてて、ただただ 【 音 ・ 楽 】 のように、一人でor仲間とで奏でる人達。

どっちが良し悪しとか、そんなことは考える必要も 詮索する必要も なくなるほど、
どちらの “ 生の音色 ” も、ココロの琴線に触れることがあります。
民族楽器の “ 生の音色 ” って、優しくて心地良いものが多くて。
ときどきだけど、
アンプやスピーカーなどを通して、けっこうな音量でガンガン鳴らしてる人達もいます。
二胡や琵琶の弦のところにマイクを付けてて。

・・・そういうのって・・・どうなんだろうなぁ・・・
・・・うまく言えないけれど・・・
・・・電気器具を通して「ここで弾いてるぞー!聞いてってくれー!」と声高に鳴らしちゃうと、
せっかくの楽器本来の音が・・・・と、個人的には。。。
やっぱり、素のままの “ 生の音色 ” は人の耳に優しいですもん。
立ち止まりたくなったり、曲のメロディーを想い返しながら歩けたりして。

じつは、アジアの民族楽器には、 “ 生の音色 ” の美しさ だけじゃなく、
“ 形 ・ 模様 ・ 弾き手のさま(姿や動き) ” の美しさもあります。
西洋楽器よりもそれを強く感じる時があると、
「自分が【アジア系 炭水化物星人】だから そう感じるんやろうなぁ。」 と思うことも。

・・・なんて、憧れて 探して やっと手にして 連れ帰ってた民族楽器たち。
なのに、
楽器本来の音色を鳴らせないまま、可愛そうなことをしてきてるなぁ と最近になって反省。
「罪つくりしたままじゃあかん」ということで、生かせる道を拓き始めたところです。

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by hongkonggaffe | 2016-01-26 19:05 | 香港ふうけい | Comments(10)

香港から連れ帰ったローカルパンを 自宅で食べる幸せ

「自宅で香港を味わいたい」・・・という想いを簡単に叶えようと思いたった頃から、
パンを持ち帰って来るようになりました。
最初に始めた頃はぎこちなかった方法も、いつからかウチなりに工夫して定着。
パンの梱包は、 “ 香港を出る最終日の朝の儀式 ” として 欠かせません。



【 ( ↓ ) とある日の朝、出来心で買い過ぎた朝食用のパン。試して気に入ればお土産に 】
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【 ( ↓ ) 最終日の朝、4店を巡って買った食べ比べ自宅用の菠蘿飽 (1個は小豆餡入り) 】
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ウチなり の “ 輸入のコンテナ ” として使っているのは、靴の箱。
あの箱って、丈夫ですよねぇ。
・・・ん?
もしかして、メーカーによって違うのかな?
ずっと買い続けているメーカーの箱だと、とても丈夫なのですが・・・。

「えー?靴の箱ー?それってちょっと。。。」 と抵抗があるかたもいらっしゃるかも。
自分もそう思ってた頃、香港のその専門店で1足買い求めた時がきっかけになりました。

香港の店で売られてるスニーカーは、同じメーカーでも色使いが違ってることが多く、
日本で手に入らないモデルがあると、訪港するたびに買い求めてた頃でした。

とある年、下調べして行ったモデルと銅鑼灣の裏道にある支店でご対面。
ディスプレイのはあったのだけど、在庫を確認しても他店へ問い合わせてもらっても、無く。
唯一あったそれを買うことに。
「ディスプレイ用の1足が元々入ってた箱ならば、
 試し履きされた後に入れ戻された箱じゃないんだから、新品なわけだよね?」 と思い、
それ以来 ずっと使い続けています。



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箱の中に新聞紙を敷き詰め、ビニール袋やタッパーに入れたパンを入れ、
念のために必要ならば衣類や追加の新聞紙を緩衝材に。

パンはもとより、ペストリー ・ クッキー ・ 糯米糕の団子類 などなど、
連れて帰りたい “ 輸入品 ” を厳選して梱包。
トランクじゃないソフトケースのバッグでも大丈夫だったので、
何箱も入れられて、持ち帰る種類の幅と個数が増えました。

オキテを知らなかった昔は、叉焼飽も何も気にせず輸入してたけど、
「 それって、じつは密輸だった! 」
と知って以降は ( 知らないままでいた方がよかった ) 、していません。。。



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持ち帰って、さっそく翌日の朝食で香港を感じつつ食べる幸せ。
もちろん、1~2回ごときで無くなりはしないので、あとは冷凍保存。
以降、日が経つにつれて我慢できなくなったら、
「これ以上冷凍してたら冷蔵庫臭が移るやん!」と言い訳を付けながらパクパク。
幸せな日々は けっこう続けられます。

自分はトースターで温めるよりもレンジを使う派。
香港ローカルパンの、あの もちもち感 が好きだから、しっとりふわふわな方を選ぶので。
ただ、
どんな方法で再び味わうことが出来ても、大切な輸入品は減っていくのが定めですよね。
自宅で食べ続け、確実に少なくなる状況の悲しさは、
同じように楽しんでらっしゃるかたなら分かってもらえる心境かと思います。。。

そんな時、「自分でこしらえられたらなぁ」とつくづく思う。
杏♪さんや池上さんがなさっているように、
菠蘿飽MIXや雞尾飽MIXを香港で買い求めて来てハンドメイドが出来たら、
“ あの風味 ” と “ 手作り感 ” で、絶対に美味しいに違いないと思っています。
思うだけ・・・が あかん のやけど・・・。
いや、
金装倍醇奶茶を淹れながら食べるシアワセ を想って、実行しなきゃ。
次回はお二人に続くことが出来るように、チャレンジしたいと意を決しております(笑)。



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きっと1回じゃ成功しない(と自信を持って言える)から、何箱買えばいいんだろう?
・・・。
・・・。
待てよ、その前に、オーブンレンジを持っていないウチは、どうすりゃいいんだ?
・・・。
・・・。
実家で借りるか。
・・・。
・・・。
えっと、そもそも いつ里帰りが出来そうなんだ?
・・・。
・・・。
このハードルが高い。。。

「部屋食で味わえたローカルパンを持ち帰ることが出来た!」の頃の歓びを思い出して、
ハンドメイドにチャレンジしたい(本当か?本当だな?ここに書いたな?)と思っています。
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by hongkonggaffe | 2016-01-23 04:05 | 香港たべもの | Comments(27)

それぞれの 終点 兼 始発駅 (總站) を順に巡りながら トラムに遊んでもらう

夜明け前にホテルを出て、早朝散歩に行く。
まずは徳輔道西に出てから始発トラムを見送って、皇后大道西を西營盤方面へ歩く。
まだ暗い中、一方通行のこの道を 路線バスとタクシーだけが西へ走って行く。
夜が明け始めて 空の色が変わってくる。

新聞配送車がコンビニや歩道の新聞店に束になった新聞を投げ込むように届けて回る。
店員さんがそれを受けて荷をほどき、
店の入り口や歩道に広げて、その日の新聞を組み合わせ始める。
組んでる最中も早朝出勤の人がポツリポツリと買って行く。

時計を見ながら ほど良い所で皇后大道西から徳輔道西へ出て、上環に向けUターン。
西のトラム車庫から次々に出てくるトラムを眺めつつ、歩道を歩く。
夜が明けきらない徳輔道西はまだまだ静かで、トラムの走行音だけが心地よく続く。
跑馬地行きのトラムだと 車内にお客はほとんどいないけど、
北角行きだと 早朝から席はけっこう埋まっている。

走って来るトラムの隙間をついて 車道の真ん中に出てみる。
レールに触れる。
トラムレーンにはクルマは入って来ないし、トラムが近づいてくれば音と振動で分かる。
大丈夫・・・だとは思ってても、やっぱりちょっとドキドキしながらレールに触れる。



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荷李活道公園に入り、高層マンションの谷間で鳥の鳴き声を浴びる。
科記の開店時間に合わせて太平山街へと入ると、鳥の声もクルマの音も消える。
店の前に立つと、家族皆でいつも通りの準備を始めている。
邪魔にならないタイミングで視線を合わせ、招き入れてもらう。
アイコンタクトや顔の振りだけで、その日初の “ 人との会話 ” が始まるのが嬉しい。
少しずつ入って来るご常連さんを 一番奥の席から眺めつつ、奶茶をすする。
この席に座っていると席の埋まり具合が分かるから、様子を見計らって、ごちそうさま。

部屋へ戻ってパン朝食にしつつ、今日はどこへ?と相談する。
昨日は麺の夕食で今朝がパンだから、飯類が良いね。出来れば家庭料理風な。
だったら昼は蕃薯苗で食べると良いかも・・・と トラム停へ行き、北角行きを待つ。

跑馬地行きは何台も来るけれど、北角行きが来ず、どんどんと待ち人が増えてくる。
北角行きが来ても、けっこう混んでる。明け方と同じだ。
「空いてるのが来るまで待とう。」と言ってたら、120號がやって来た。
行き先を見ると残念ながら跑馬地行き・・・だけど空いていて2階先頭席に誰も居ない。
「これ、乗ろう。」ということで、北角行きはあっけなくパスして、跑馬地行きに変更。
行き先よりも、120號に乗ることの方が大事(笑)。

途中で雲行きが怪しくなって、雨が。
銅鑼灣から右折して跑馬地行きは繁華街を外れていく。
すぐ前を白い車体の1台が走っている。
木立の中を走る路線は跑馬地線だけ。緑の中に白い車体が映える。

終点の跑馬地總站で120號を降り、小雨の中、小さな街を散策する。
1時間半後に街市の前に集合することにして、解散。
それぞれ好きな場所で過ごし、約束の時間に落ち合って トラム停へ。
ここで 【去】 の小さな明かりを見るのがお決まり。
何台か見送りながら、発車するたびにポツッと点灯しては消える 【去】 を眺めて遊ぶ。



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「そろそろ行こう。」と北角行きに乗り、軒尼詩道を東へ進み春秧街を抜けて北角總站へ。
ここにも【去】のサインが。
このささやかなサイン、きっと誰ひとり見たりあてにしたりしていないと思うけど、
毎日いつだって 点灯を繰り返しながら けなげに働いている。
北角の中でスーパーへ行ったり街市に入ったりして遊んでから、蕃薯苗へ。
飯を希望してた通りに菜飯とおかずを頂いて、英皇道へ出て筲箕灣行きのトラムに乗車。

乗ってる間に雨はやみ、終点の筲箕灣總站で下車して、すぐにまた解散。
お一人様自由行動になって 毎回まず確認するのは、
駅を見下ろすことが出来る角地のマックの いつものコーナー席が空いてるかどうか。
・・・残念・・・誰かが座ってる。
でも、せっかくだからとマックへ上がり、ポテトだけを買って窓辺の席から見下ろしてみる。
左右から広いガラス窓に囲まれる特等席のコーナー席 ほどじゃないけれど、
筲箕灣總站に入って来ては出て行くトラムたちを 上からずっと眺めていられる。

向かいの席が埋まってお客で混んできたから、出ることに。
金華街の露天市場を歩く。
野菜や果物をここまで上手に積み上げるのって、すごいよなぁ。
両側を忙しく観察しながら人に揉まれつつバスターミナルまで行き、バスを眺めて過ごす。

そこからぐるりと回って筲箕灣東大街に入り、街のはずれになる天后古廟へ。
お邪魔させてもらい、見よう見まねのお祈りだけをして、来た道を戻る。
途中で凍咖啡を外賣し、路地に入ってお気に入りのパン屋へ。
ここは他のパン屋と違って、ショーケースのようなものがほとんど無い。
焼きあげられたままむき出しになって並んでるパンや蛋糕や砵仔糕たち。
雞尾飽を一つだけ買い、筲箕灣總站すぐ前の廟の公園で おやつタイムにする。

集合時間まで休憩し、乗り場でトラムを眺めると、ちょうど堅尼地城行きが順番待ち中。
東の端の筲箕灣總站から 西の端の堅尼地城總站まで、
途中乗り換えなしで1本で全行程を乗って行けるのは、1時間に1台しかないはず。
これは乗るべきでしょう、、、ということで 迷わず乗り込み、2階先頭席へ腰を下ろす。



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お客はまだまばらだけど、後からトラムが次々に入ってきて待機しているので 発車。
太古前までは覚えているけど、そこからの記憶が無い。
眠っていたんだろうと思う。
目の前のガラス窓をあけたまま、風を受けながら眠っていたはず。
街の音やトラムの振動が子守唄になってくれたんだろうと思う。

太古を過ぎたのも北角を過ぎたのも覚えていない。
銅鑼灣の賑わしささえも覚えていなくて眠りこけてたんだろうけど、
パンパンッっていう、打小人たちがスリッパでお札をたたき続ける音で目が覚めた。
高架線下のここは、音がこもってよく響き渡る。
反対車線に居てもここに近付くと耳につくくらいの音だから、
お仕事中の打小人たちに近い西行きレーンだと、いやがおうでも起こされる(笑)。

ここからは、ウトウトしながらもお気に入りのポイントがいくつかあるので眠らない。
消えてしまった利東街の跡地や、お洒落になってしまう前に入ったことがあるPAWN。
金鐘に近付くにつれて迫って来る、オフィスビルや銀行たち。
トラムに挟まれるようになりながらも、トラムと譲り合いながら仲良く走る仕事自転車。
庶民的なエリアや猥雑な繁華街の雰囲気が消え、一気に入って行く高層ビル群の谷間。
中環へ侵入する直前に迎えるカーブのレールは、いつ見ても美し過ぎる。
そして、
香港島の象徴に例えられるビル群のすぐ根元から、ビルを見上げながら走れるトラム。
尖沙咀側から見る高層ビル群とは違った景観は、トラムだからこそ味わえると思う。



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中環から上環まで一気に直進し、突き当たりのウェスタンマーケットを右折する。
トラムの鳴き声が耳に優しい。
すぐに左カーブを曲がり終えたら そのまま海味街へ入り、この先しばらく直線が続く。
ホテルの前を通り過ぎるあたりからは、干物の匂いがトラムの中に遠慮なく入って来る。
ここからは、毎朝毎夕歩くエリアだから、退屈になって またウトウトし始める。

海味街に限らず、同じ場所&お馴染みの場所を何度通っても、本当は新鮮なはず。
ましてや歩道からじゃなく、トラムの2階席から見下ろすのだから、
地上からの見え方と違って楽しめる・・・はずなんだけど、半分眠ってる(笑)。
やっぱり、毎朝の朝活や昼間の散歩で 知らずのうちに疲れが溜まってるのかも。
そんな時、こうして揺られながら移動しつつ身体を休め居眠りできるのは幸せかも。

終点の堅尼地城に着いて、トラムが完全に止まった時に目が覚める。
筲箕灣から堅尼地城まで、こうしてずっと乗り通すと今回は2時間25分かかった。
以前、同じことをした時は2時間5分だったと思う。
あまりに長時間だったので、覚えてる(笑)。
ただ、途中に何度か居眠りしてるから、実際は長さを感じない。
・・・けど、「同じ電車でも 新幹線だったら東京からどこまで行けちゃうの?」と考えると、
こんなに狭い香港島なのに、ずいぶん時間がかかるもんだなぁ と思う。

ここでもやっぱり解散して自由行動。
寝起きでぼんやりしたまま、卑路乍街や街市周辺を散歩して、
途中の祥香茶餐廳で蛋撻を買い、海沿いの遊歩道に出る。
海に向いて並んでるベンチでは、
近くの店員さんが休憩時間にタバコをふかしてたり、静かに座ってる老夫婦が居たり。
ここは「海」って言っていいんだろうか?それともビクトリア湾からそのまま続く「湾」?
離島やマカオへ向かうフェリーはもちろん、ときどきジャンク船や警備艇も行き来する。



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街市の前で落ち合って 東へ歩き、石塘咀を抜けて西營盤に入り、夕食を選ぶ。
“ あれ・これ・それ ” の 真正豆腐坊で外賣し、部屋に戻ったら夕食。
炭水化物多めの日だったから野菜を摂らなくちゃね。
でも、おかずの下に隠れてるぎゅうぎゅう詰めの白飯を残さず平らげちゃうので、
やっぱり炭水化物の摂り過ぎかもしれない。
「まぁ、今は里帰り中なんやから、いいやん。」・・・ということにして、美味しく頂く。

太太がTVを観てる間に、空になった弁当箱を処分しに階下に下り、外へ出る。
ホテル前の徳輔道西。
夜だから暗いんだけど、やっぱり夜明け前の暗さとは違うのが不思議。
何が違いを感じさせるんだろう?
多くの人々の気配?路線バスやタクシーが行きかう台数?空気が澄んでるかどうか?
なんだろうね?と思いながら、やっぱりトラムが気になってカメラを向ける。

銅鑼灣や中環や上環の都市部方面から住宅街へ走って行くトラムには、お客がいっぱい。
1日のお仕事の疲れが出るからかな、やっぱりうなだれて眠ってる人が多い。
トラムで昼間ここを通る時に同じように眠ってる僕とは、向かう方向は同じでも意味が違う。
「すみません、里帰り中で。。。今日もお仕事お疲れ様。自宅でゆっくり休めますように。」
トラムの写真を何枚も撮って、部屋へ上がる。


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今日、早朝から夜まで ずっとトラムに遊んでもらえたことに感謝するばかり。。。

そんな日。


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by hongkonggaffe | 2016-01-17 22:24 | 香港のりもの | Comments(24)

ソウルフードは里帰りまでは食べない方が良い・・・かな? ~ 四季豆・焗飯・乾炒牛河 ~

旅行と食べることが好きな人だったら、
国内旅行でも海外旅行でも「ここへ来たらこれを食べずには帰れない」
っていう食べ物があるんじゃないかなぁ・・・・・・いかがでしょう?



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ウチは、香港だったら、自分は叉焼飯で 太太は雲吞麺。
これ、どちらの1品も、香港人のソウルフードに入ってる食べ物らしいですね。
以前読んだ本の 【 海外へ行ってる香港人が 故郷を想って食べたくなる物 Best5 】
の中に 両方とも入っていたような気が。

叉焼飯と雲呑麵に分かれるウチだけれど、
共通して「これは滞在中に1度は食べておきたいよね」と一致する物が三つ。
【四季豆】 と 【焗飯】 と 【乾炒牛河】 。
あぁ~、こうして三つとも文字にしちゃうと、里帰りしたくなる気持ちが急上昇するなぁ。
まさにウチのソウルフードなのかも(笑)。



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【四季豆】 は、レストランのメニューにあれば必ずオーダーするし、
「部屋食したい」の気分なら 茶餐廳で単品お持ち帰りにします。
ビールのアテにしてTV(翡翠台)を観ながら頂くとかなんて、至福のひととき。

「緑の濃い野菜いっぱい食べて お利口さん!」
って都合よく考えることにしてパクパク食べるんだけど、
これって、かなりの高カロリーなんですよね。
で、油がいっぱい絡まってるから、食べた後から胃にもたれる。。。(笑)
分かっちゃいるけど食べずにはいられない四季豆。
これをおかずにしちゃったら、白飯だってモリモリすすんじゃいます。



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【焗飯】 は、茶餐廳で置いてある場合なら、積極的に選ぶなぁ。
飯の部分がただの白飯じゃなくて炒飯だというのが大事なポイント。
ドリアですから、オーダーから手元に届くまで少々時間がかかります。
「日本人だな?いちおう確認しておいてやろうかな」 と気を利かせてくれるお店だと、
「時間がかかるけどいいのか?」と念を押してくれます。
待つのはいっこうに気にならないから「無問題~!」。
アツアツのぶんだけ冷めにくいから、
冷房ガンガンの茶餐廳でも、けっこう最後まで美味しくいただけます。

焗飯がウチのマイブームになったのは、わりと近年。
【 焗 】 の文字通り オーブンで焼き上げるだけに回転が悪い1品だからか、
どの茶餐廳でも扱ってるという料理じゃないので、メニューに無い場合も多いです。
特に、 咖啡 + 奶茶 の鴛鴦茶と同じように、【鴛鴦焗飯】(2種類のソース半分ずつ)なら、
トマトソースとホワイトソースの鴛鴦とかだと お楽しみが2倍に。
メニューに無くても、カレーソースやチーズソースでも頼めば作ってくれるかな?
カレーライスもだけど、茶餐廳で出される “ 香港版洋食(港式) ” って、好きで。



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【乾炒牛河】 は、同じような顔してるのに店によって味がけっこう変わります。
幅広の麺に申し訳程度の具で、じつに地味なルックス。
ホントに地味(笑)。
この具材が少なすぎる料理の、「何が」美味しく感じさせるんでしょうか?
ソースや餡がかかってるわけじゃないし、スパイスが特別効いてるとも思えない。
・・・ということは、ひょっとして、風味すべてを左右してるのは油?
だとしたら、ウチは単に油に惹かれてるのか~?

そう考えれば、【乾炒牛河】の方は米の麺を使うから違うとはいえ、
あの【炒麺】 ( こちら ) とまったく同じですよね。
いや、むしろ幅広麺の表面積ぶんだけ油が絡みついてるから、炒麺以上に油っぽいか?
そのあたりは四季豆と似てて 食べ終えた後にズシッときます。
ちなみに、
香港だから麺料理は啜らないのがマナーだけど、
そもそも乾炒牛河は啜ったら最後、口の周りが。。。(ご想像にお任せするとして)。。。



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三つとも、日本の自宅で気軽に作って食べたいんです。
だけど、
四季豆はインゲンが身近な野菜だとはいえ、素揚げする手間を省くと色も食感も違う。
焗飯はオーブン料理をしないから作れない。「え?しないの?」 → 「オーブンが無い」。
乾炒牛河はきしめんで代用するけど、やっぱり使ってる油が違うので “ 似た別物 ” に。

ま・・・・・・香港で食べるからこそ美味しいんですよね。
「風味だけじゃなく、香港で食べるからこそ美味しい!!」
なんだから、
背伸びして作っちゃわずに里帰りまで待った方が良い?
うん・・・・・・かの地で食べるのを楽しまないと(と納得させよう)。

三つすべてが高カロリーのソウルフード。
ええぃ!!カロリーなんて気にしてちゃ旨いもん食えん・・・と、どこ吹く風(と納得させよう)。
「身体に良くないかも?」って怖がってちゃ、
美味しいものと仲良くなれないことだけは確かですよね?(と納得させよう)。
“ 前世香港人 ” と信じてるウチは、里帰りする前なら それなりにいろいろ考えるけど、
里帰り中に この三つを目の前にした時は、すべて頭から飛んでます。
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by hongkonggaffe | 2016-01-13 20:18 | 香港たべもの | Comments(22)

香港の街灯が 感じさせてくれること

変わり行く物や消え行く物が多い香港の中で、ずっと変わらず消えはしないだろうな・・・
っていうお気に入りの物。
その一つが、僕にとっては【街灯】です。

道を照らし、住宅やビルを照らし、人々を照らす街灯。
香港のオレンジ色の街灯の明かりに包まれると、
「あぁ~里帰りしていられるんだぁ~」とさえ思えて(笑)。
あの明かりの色、好きなんですよ~。



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歩道や道路の脇に立つ、あの街灯。
香港の街灯の光って まるで意図的に統一されているかのように、どれもオレンジ色。

オレンジ色って、正しくないのかな?
でも、電球色よりは赤みがかった濃い色だし、蛍光色の街灯って見かけないし。
街でも 町でも 村でも 新界の果ての方や離島でも 、同じ色。
お気に入りだから贔屓目に見ているのかもしれないけど、温かみを感じる好みの色。



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まだ暗い 日の出前の朝活で散歩していると、
大小すべての道路の上で灯った街灯が
アスファルトだけじゃなく、始発バスや朝活中の自分を照らし出してくれます。

ホテルの窓から下を眺めると分かりやすいのだけど、
夜明けや夜更けの道路に光の帯を作るのは、クルマのヘッドライトじゃないんですよね。
写真にあるように ( ↑ ) 、ヘッドライトはクルマのすぐ前だけを白く明るく照らしてるし、
動いていないクルマだけが駐車してある脇道だって、オレンジ色の光の帯。
よく見ると、街灯の間隔を表すように 一定間隔でオレンジ色の明るさが濃いでしょう?
上から見た時に街をブロックごとに区分けしてる光の帯は、まさに街灯の芸なのです。



たとえば、科記のある太平山街で。
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たとえば、科記から坂を下りた荷李活道沿いで。
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その日の夕方から 翌日の早朝まで 働きっぱなしの街灯は、
明るさを提供するだけじゃなく、なんでもない昼間の光景にアクセントをつけてくれます。
街灯が灯っている時間帯と 街灯が消えている時間帯とでは、
同じ場所でも表情が変わります。

太平山街を科記に向かって歩きながら近付く時、行く手に見える階段上の表情。
その階段手前から荷李活道に向けて歩いた時、右手に眺め上げるアパートの表情。
同じ場所を違う時間帯に眺めると、違う表情が醸し出す雰囲気がそれぞれあって。
「どちらが良い」ではなくて、どちらも魅力的な顔を見せてくれるんですよ。
オレンジ色を添えて街角の表情を変身させちゃう 街灯のマジック。



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街なかだけでなく、自動車専用道路や高速道路でも この明かり。
日本だと白系の水銀灯が多いけど、香港ではオレンジ系のナトリウム灯。
夕暮れから夜に入る時間帯になると点灯して存在感を出し、
静かな廟や公園でも、ネオン散らばる賑やかな繁華街でも、温かな色で味を添える。

思うんだけど・・・、
香港のこの街灯の色って、
たとえ色の洪水の中で灯ってても、ささやかだけど目を引くような気がします。
気にすると けっこう目立ってません?・・・ひとつひとつは小さな明かりなのに。

九龍側から香港島側へフェリーで渡って来て 街へ通じる陸橋を歩いてる時、
眺められる無数のネオンがどれほど色とりどりで輝いてても、
シンフォニー・オブ・ライツでビルごと色が変化したりレーザー光線が飛び交ったりしてても、
静かに灯ってる街灯の明かりは、光の洪水の中で埋もれはしない。



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自分が好んでいるから目に付くのかもしれないけれど、
冷静に考えてみると、
この街灯の色って、派手なネオンの中で使われていない色なんですよね。
あんなに種類の多い近未来的なネオンがあちこちにあるのに、この色と似た色が無い?

そして、もうひとつ。
「どうして つい街灯に目が向くのか?」と考えると、
あのオレンジ色の街灯があることで 【 安心感 】 を感じられるから自然に目が向くような?
街灯があると、人がそこに居ない時でも 【 人 】 を感じられるというか。

街灯の明かりがある → そこは人が使う場所だという証 ですものね。
そこに暮らしている人々に必要とされるから灯っている明かり。
そのへんが、 “ 香港へ来た客人達への顔見せをする着飾ったネオン ” とは違ってて。
香港島の夜景って「うわ~っ!やっぱりすっげ~っ!」とアドレナリンが出まくるけれど、
普段着で灯り続けてる街灯には、ホッとしたり 人の息づかいを感じたり。

いつもいつも豪華なご馳走ばっかりじゃ、お腹がもたれちゃうでしょう?
やっぱりねぇ、日常食に戻るし 暮らすうえでは欠かせないんですよねぇ。
( 日常食に偏り過ぎてる小学生男子がこう書くのも ナンだけど・・・。 )



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夏と冬で日の出日の入りの時刻が違うから多少変わるけど、
19時頃に点灯して翌朝の7時に消えるとしたら、1日24時間の半分は灯っている街灯。
味わわせてくれる幅は、長くて広いんだなぁ・・・と感じます。
それだけぶん、街灯の芸やマジックに出会うチャンスがあるということ。
点滅もせず 色も変えず ただただそこに居てくれる街灯に、感謝です。

2015年最後の記事が、 “ 香港の花木 ” 。
2016年最初の記事が、 “ 香港の街灯 ” 。
グルメ情報でもなく、グッズ情報でもなく、イベント情報でもない、 “ 花木と街灯 ” 。。。(笑)
ローカル内容のまま年を終えて ローカル内容のまま新年を始めるこのブログは、
誰のお役にも立たないと思うと、いらして下さった方に申し訳ない。。。
でも、それだけに、再び遊びに来て下さる方に励みを頂いているんですよ。
今年もこんな調子ですが、少しずつ香港を書いていけたらな と思っています。
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by hongkonggaffe | 2016-01-07 21:16 | 香港ふうけい | Comments(18)


「暮らすように滞在していたい」 と思いながら里帰りする香港の日々。


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